監督はじめスタッフたちの手作り感満点のアート感漂う残虐アングラ映画。ビデ倫のぼかしも追いつかないレベルでエロスと破壊を堪能できます。生と死とエロティシズムと残虐、アート臭さ、若々しすぎます。青いです。恥ずかしいです。でもがんばってます。スタッフ一同、手作りで挑みます。
カリム・ハッセンは後になって「ホーンテッド」を作ったんですね。
「大脳分裂」のオマケでは「こんな映画は予算があってももう二度と撮らない」と宣っていましたが、なるほど確かに青臭さはすっきり抜けて「ホーンテッド」は娯楽ホラー(+ちょっぴりのアート感覚)として完成度高く仕上げていました。
・・・と、書いたんですが数時間後に間違いに気付きました。監督じゃありませんでした。脚本での参加でした。勘違いでした。すいません。
「大脳分裂」の中で、さすがにぼかされすぎて何が映ってんのかわからないあるシーンがあります。陰茎をしごいて血の射精をするシーンのようですが、これはやられましたね、トリアー監督。
「アンチクライスト」での最強烈シーンの一つと同じです。2000年の若造たちにすでにやられていました。ラース・フォン・トリアー監督が「大脳分裂」を観たのかどうかは知りませんが、多分観てないですよね。被りましたね。
「考え得る限りの最強の残虐」を映像化したシークエンスがありますが、あれは確かに考え得る限り最強最低の残虐かもしれません。だからどうしたという気もしますが、あれは酷い。
しかしまあ我が国の現状を見てみますと「大脳分裂」よりさらに「考え得る最強の残虐」と言えなくもないです。国民殺し胎児殺しの大量殺戮も大概ですよって。
中にはアーティスティックで美しい舞踏のようなシーンもあります。
右脳とか左脳とか馬鹿馬鹿しいことを言わずに、もうちょっと淡々とやればアート映画としてなかなかの出来映えになったかもしれませんですね。
この作品のアート臭さの何がクサいかというと、オリジナルであるアート映画の直接の影響よりも、それらアート映画の洗礼を受けた一次影響下にある監督の作品群の影響を受けていると思わせるからです。二次三次影響です。影響の影響の影響です。真似の真似の真似です。だから重みと説得力に欠けます。
まあでもこんな映画に説得力も糞もいらないのでどうでもいいといえばどうでもいい話です。
そもそも洒落であるとも取れるので(それも逃げ道ですが)いいとしましょう。それより楽しそうに作ってるのが微笑ましいです。
楽しそうとは言ってもちゃんと真面目に取り組んでいます。本気であります。本気で遊ぶ。これです。
このような映画が作れるのもカナダという国が住み心地の良い国だからかもしれません。幸せだからこそ想像で遊べる残虐。
嘘か誠か、カナダ政府としては正式に発禁扱いという「大脳分裂」でした。強烈で退屈な個性的な映画です。ぜひどうぞ・・・とは口が裂けても言えません。
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