アンジェリカの微笑み
マノエル・ド・オリヴェイラ監督2010年の「アンジェリカの微笑み」は小さな町で死者に魅せられた青年を描く幻想的な物語。彼が取り憑かれたのは美女なのか歴史なのか。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督2010年の「アンジェリカの微笑み」は小さな町で死者に魅せられた青年を描く幻想的な物語。彼が取り憑かれたのは美女なのか歴史なのか。
歴史学者の女性が幼い娘とふたりで船旅をします。飛行士である夫とインドで落ち合うためですが、いい機会だからゆっくり各地を回り知見を広めようとポルトガルから地中海の国々を巡るのです。
世界最高齢の映画監督マノエル・ド・オリヴィエラが放つ驚異の知性派ロードムービー「永遠(とわ)の語らい」を観て歴史の果てまで持って行かれ、腰が抜けました。
ラスベガスにほど近い砂漠の寂れたモーテル、バグダッド・カフェを舞台に描く人情と友情とそして吹きすさぶ風。1987年の大ヒット映画「バグダッド・カフェ」はコメディ路線ながら人の心に沁みいる永遠の名作。
1954年、溝口健二監督の「山椒大夫」です。森鴎外の小説を脚色して映画化、でも元はといえば説話「さんせう太夫」つまりお子さんにも馴染みの「安寿と厨子王」です。映像美の極致と言っていいでしょう。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、パリの高級娼館アポロニドの娼婦たちを描きます。優雅で背徳的、そして美しくて洒落たフランス映画。でも何かが重くのし掛かります。
南米の貧しい村、年老いた母親を失った娘ファウスタは埋葬費用を稼ぐためメイドの仕事を始めます。苦悩と歌を引き継ぎ心を閉ざした女性ファウスタの物語。バルガス=リョサの姪クラウディア・リョサ監督が放った南米文学マジックリアリズム映画の神髄、極上の逸品。
高校国語教師と生徒のお話です。「まったく近頃の餓鬼は馬鹿ばかりで作文の一つも書けやしない」と嘆いている文学者崩れの教師を呻らせる作文を提出するひとりの生徒。教師は作文に夢中になりのめり込みます。
美術鑑定士に持ちかけられた依頼は両親の残した屋敷内の美術品鑑定。依頼主の女性はなかなか姿を現しません。ジュゼッペ・トルナトーレの2013年最新映画は美術品とミステリーと孤独と愛の物語。
母親と7歳の娘が海風吹きすさぶ掘っ立て小屋で暮らします。母は厳しい表情、子は・・・ちびっ子映画の快挙を堪能できる凄いやつ。映画はずっしり辛い系です。
重罪で服役中の囚人たちが「ジュリアス・シーザー」を演じるという映画です。巨匠タヴィアーニ兄弟がレビッビア刑務所とコラボって製作されたという異色作品。
驚くほど作品数の少ないビクトル・エリセが「エル・スール」の10年後に撮ったのは芸術家アントニオ・ロペス=ガルシアのドキュメンタリー映画。もはやこれはドキュメンタリーという括りや単なる映像詩なんて言葉では到底語りきれない至福の映画体験をもたらします。
リフォームの改装工事をめぐるお隣さん同士のトラブルを描きますが、その家がル・コルビュジエが設計した家ということで、トラブルと名建築家の建物とおかしな人と摩訶不思議な出来事を堪能できるテーマ分散型不条理設定のモダンムービーにございます。そうとう面白い。
カルロス・サウラ監督によるフラメンコの華麗なるステージムービー。フラメンコに酔いしれます。
社会主義時代の東ドイツを舞台にした訳あり女性の映画。辺境の地に左遷された女医バーバラは堅く口を閉ざし心を開かぬ女性です。西側への出国申請が却下され監視下に置かれているのです。
孤児院で育った女性ふたり。ひとりは修道院に、もうひとりはドイツで過ごしていました。ドイツにいた彼女が修道院にやってきます。「いっしょにドイツ行こ」「あたしはここの暮らしがいいの」
18世紀末のマドリッドを舞台に、神父ロレンソと商人の娘イネスの運命を、ふたりの肖像画を描いた巨匠ゴヤの目を通して描くああなってこうなってあんななってこんななってしまう激動系物語。「カッコーの巣の上で」「アマデウス」のミロス・フォアマン監督が、ハビエル・バルデム、ナタリー・ポートマン、ステラン・スカルスガルドを迎えて放ちます。
病に倒れた妻と介護する夫。ミヒャエル・ハネケ2012年の最新作は老夫婦の愛と介護の息詰まる映画。
今頃初めて観たオタール・イオセリアーニ監督2002年の「月曜日に乾杯」は家や村や町や観光名所や酒や煙草やおじさんや若者や老人たちやいろんな人の魅力に満ちた不思議世界の緩やか模様で映画的魅力の宝庫でこれ大好き。
1994年にフランスで発見されたショーヴェ洞窟、その奥底にあった3万2千年前の洞窟壁画です。この貴重な洞窟壁画をヴェルナー・ヘルツォーク監督がドキュメンタリー映画として完成させました。めまいがするほど美しい最古の洞窟壁画をご覧あれ。
古き良きハリウッドへ捧げたフランスからの映画のラブレター。大ヒットしたサイレント風映画はこちらです。