オリジナルの「テラー・トレイン」がどんな映画か知らないんですが、このリメイクはオリジナルを大きく変更し、スプラッタホラーとしてリメイクしたらしいので、オリジナルはもうちょっとスリラー、サスペンス系なのかもしれません。
主人公たちが大学のレスリング部ってことで、もうすでに頭の悪そうな体育会系の香りが見る前から立ちこめています。こんな連中が恐ろしい目にあっても感情移入できませんから全然怖くもないしドキドキもしないという、しかしこれは好みの問題で、体育会系の頭の悪い若者たちに感情移入できる観客であるならば「ひゃっほー。こえー。おもしれー」と大騒ぎして楽しめるかもしれません。
東欧の旅ということで、異国の恐ろしさが演出されているかというとそういうことも特になく同じ東欧を舞台にした「ホステル」のような東欧諸国が怒るのではないかと思うほどの面白さはまったくありません。
ただ、列車内で密室劇のように進行するサスペンスは面白く見ることができます。ブルガリアの本物の列車でロケしたそうで、それによってリアルさ、狭苦しさ、逃げ場のなさ、異国列車の味わいなどが表現できています。
スプラッタ描写も悪くはないです。典型的なアメリカンスプラッタで、激しすぎて思わず笑ってしまうという系統の描写です。フランスなどの切り株系本気スプラッタに触れまくっているような人にとっては物足りないというか今更感というか、そういうのを感じるかもしれません。
2009.09.14
というわけで面白くないわけではないのですが、基本若者向けのポップコーンムービーであり、出来は普通で、結果印象にあまり残っていません。この映画が好きな人にはご免ねと言っときたい。
実は公開時に劇場に観に行こうかと思っていた作品だったのでして、ちょっと妙な期待をしすぎていた反動もあるかもしれません。映画を見る前の思い込みってのは、良い悪いにかかわらずあまりよい結果をもたらしませんですね。