穴を掘って地下から忍び込み、銀行の貸金庫からごっそりお宝を頂戴するという骨子は古今東西いろんな映画のテーマとなっておりまして、こういうジャンルを好きな人にとっては実に正当派の楽しみを与えてくれます。しかしありきたりと思われそうな銀行どろぼう映画、21世紀にこのネタをやろうってんだから半端な覚悟じゃありません。
監督は「13デイズ」のロジャー・ドナルドソン。特に斬新な技法を用いるでもなく、極めて真っ当な演出で真っ向勝負を挑みます。
報道規制がされたとも言われるこの事件、どろぼうたちはうっかりとんでもないものを盗んでしまいます。王室スキャンダルヤクザの情報政府のヤバい証拠、これは危ない。これは消される。ヤバすぎます。どうしましょうどうしましょう。ここから新たな展開です。
そもそも泥棒たちは冴えない素人たちで怖いもの知らず。 脅されスカされ追い詰められる中、畏れ知らずの駆け引きに打って出たりします。
政府とヤクザと泥棒の三つ巴のスリリングな展開をふざけずにきちんと描きます。
というわけで普通にしっかり楽しめる正統クライムサスペンス娯楽映画。ありきたりな映画かなと思ってると、思いの外しっかりしていて見応えあります。
2009.08.21