少女Aの殺人

Acusada
親友が殺され、世俗的に容疑者扱いされる少女ドロレスの苦悩。アルゼンチン/メキシコ製作、ガエル・ガルシア・ベルナルが出演してあげています。
少女Aの殺人

スペイン語の映画に飢えていて、それで見つけた「少女Aの殺人」を観てみます。スペイン映画ではなくアルゼンチンとメキシコの映画です。
出演クレジットにガエル・ガルシア・ベルナルの名がありまして、邦題もなかなかいい感じ「少女Aの殺人」です。
珍しく邦題を褒めようと思ってもうちょっと調べたら、何と公式な邦題は「少女Aの殺人 容疑者ドロレスは、本当にカミラを殺したのか?」でした。わはは。擁護しようがないわ。

何個か前のポストで白状しました。Movieboo執筆者はうじうじしたやつがうじうじする映画を好みません。予告編を見かけて期待していた「少女Aの殺人」は、思いのほかうじうじ系でした。主人公のうじ子は親友が殺された事件以降すっかりへたれてしまったという設定なので、まあうじうじしていても仕方のない面もあります。うじうじしているうえに始終不機嫌というのもシナリオ的にはまあしゃーない、うじうじしているのが全部駄目だとは言いません。でもそれに留まらず、この映画は映画全体がうじうじしてしまっています。これは残念でした。

予告編はネタバレ系で、いつもの良心的な筆者であれば「予告でネタバレしすぎてけしからん」と言うかもしれませんが、本日は期待していた安藤議員の保身発言にがっかりして不機嫌な上に確定申告ソフトを使うため1年ぶりにWindowsを起動したらアップデート地獄が始まって怒り心頭なので別の捌け口もとい切り口でいきます。

予告編はネタバレ系ですが編集はいい感じで「これ観てみたいな」と思わせる力があります。そこで、今回はこの予告編をまず貼ってしまうのです。

ちょっと面白そうですよね。
でもね、この映画ね、この予告編がすべてです。これ以上のものはほぼありません。大体はこの予告編をうじうじシーンで薄ーく伸ばして114分に拡大したのが本編です。ミステリーの謎解きみたいなのが終盤にありますから予告がすべてというのも酷い言い草ですが、それ以外は概ねじめじめした映画です。

だから予告を観たみんなはもうOKってことで、これ以上引きずらずに済みました。

この映画を観たときはどういうところが残念なのか、どういうところがミステリーとしてまったく体をなしていないのか、少女の心系物語として何が説得力を失わせたか、設定やキャラ作りが如何に適当かということを書き殴るつもりで手ぐすね引いていたんですが、観たときの記憶も薄れてきたのでまあいいかとかなり本日投げやりです。

ただこの映画の名誉のためにちょっとだけ擁護しておきますけど、ぜんぜん駄目な映画ってわけじゃないですよ、せいぜいちょっと惜しかったなってところです。もうちょっとちゃんと作ってたら面白いものになったと思うし、ということはアイデアなんかはとても良かったんですよ。作り込めなかっただけです。

ガエル・ガルシア・ベルナルがテレビキャスターの役で出演。彼は若手の映画に端役で出演していることがちょいちょいあって、応援、育成しようとする姿勢を感じられます。これは素晴らしいですね。貶してばっかいないで応援しないといけませんよね。つまらない映画こそ映画の源泉、稚拙どんとこい。稚拙だからこそ伸びる。がんばれ。

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