呪怨 パンデミック

The Grudge 2
「呪怨」のハリウッドリメイク「THE JUON 呪怨」の続編。感染爆発。
呪怨 パンデミック

「呪怨」っていうのは何だかよくわからないけど似たようなたくさんの作品があります。ビデオ版劇場版1や2やその他その他、いっぱいあるのでよく分かりません。
本作「呪怨 パンデミック」は、ハリウッドリメイク版の続編ですが、内容は他の版から転用されたりしているそうです。ますますややこしいですね。

「呪怨」はもともとは1999年のビデオ作品です。ビデオ作品にぴったりなバランスで恐怖映像を投げ散らかす小品ならではの良品でございました。
ただ怖いシーンをジャストのタイミングで出すだけという、むかしのテレビの心霊写真ワイドショー の再現フィルム的な潔さが受けたのか、呪怨は一大ブランドとなりました。
呪怨ブランドの特徴はやはり幽霊がばんばん出てくることと、オムニバスに近い形式で良質なストーリーを放棄し、「単なる1シーン」が次々に出てくることですね。
だから恐怖というよりは吃驚系の、お化け屋敷映画であると思われます。

さて本作はオムニバスに近い形式というよりも群像劇風になっていて、映画的な大きなうねりのあるストーリーを構築しようとしたような妙に凝った展開となっています。これは群像劇のパロディと見ていいんでしょうか。この監督のことはよく知りませんし、脚本がスティーヴン・サスコというこれまたよく知らない人なので意図は不明です。

聞くところによりますと、短いエピソードの断片から全体像を浮かび上がらせるのは「呪怨」の一つの特徴だそうで。ああそうでしたか、知らなくて失礼をしました。

作品全体としては「ちょっとしたエピソード+幽霊出現」の断片が延々と続くだけで、どうにもこうにも飽きてきます。ちょっとしたエピソードの部分が「設定だけ」みたいであまり面白くないこともあって、幽霊コント集みたいな感じです。
断片の繋がりも「構成的にはどうでもよい」とばかりに、一貫性もストーリー的つじつまもありません。「あれ?さっき校長室から掛けだしたのに次はノックして入ってきてるよ」とか「あれ?さっきはベッドで震えていたのに次は怖いところへ冒険しに行ってるよ」とか「一人きりで田舎のお婆さんとどうやって会話するんだろうと思ったらお婆さん英語ペラペラかよ」とか、いろいろと無頓着の境地です。まさに単なる「シーンの連続」に過ぎません。100分ほどの尺がとても長く感じます。これはこれで実験映画的な価値があるのかもしれません。変で妙なのは間違いありません。退屈でつまらないのも間違いありません。ただ勢いはあります。だからこれはきっと「あり」なんでしょう。

製作にサム・ライミの名があります。サム・ライミさん、面白がるのはわかるけどもうちょっとちゃんと、その、あの。

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