冒頭は修道院です。厳格で怖いシスターとそれを嫌う少女たちのシーンです。普通のシーンかと思いきや、シスター怖っ。で、びっくり演出。そういうスタートとなります。
時と場所を越え、こちら高校生たちを紹介する手持ちビデオ風のだるい映像。イヴという少女とその母親に注目させる演出へと進みます。
イヴが宴会している間に、母親に怖いことが起きます。
どうやら母親やそのお友達に秘密がありそうです。
邦題に「呪われた修道女」とありますがそれは逆で正しくは「修道女の呪い」ですね。
製作チームに期待したものの、今回ジャウマ・バラゲロは原作、脚本のみで演出に関わっていない模様。
演出がちょっと類型的でありきたりというか、斬新さもなく、丁寧ということもなく、何と言いましょうか、やや退屈です。
ショックシーンの演出はダリオ・アルジェントへのオマージュ感がたっぷりでそれなりに見せますが、CGの使い方はレイダース風のファンタジック風味。ホラーとしては中途半端で、対象年齢低め、青少年向けの印象です。
高校生たちががんばるお話なのでそれなりのそういう演出でOKとも言えますが。
それにふさわしく説明的で退屈な演出とセリフ、ちょっと合わない下手くそな英語など、いまいち感が漂っています。
そうなんです。下手な英語がちょっと仇になってると感じました。素直にスペイン語の映画だったらもっと面白かったかも。この演出家は、脚本の持つ力を割と殺しています。
エンドクレジットに唐突に変な歌謡曲みたいな音楽が流れます。こういうの日本映画ではお馴染みですが、スペイン映画にも実は多いんです。
[REC]2のエンディングの変な歌の人と同じ人でしょうか。似たテイストです。
スパニッシュホラーなら他にいい作品があるからあえてこれを選ぶという必要はあまりありません。傑作「REC」に至るまでのジャウマ・バラゲロの歴史を知るための資料として。