完全ネタバレ系の2ページ目です。1ページ目はこっち。AMPでは1ページに収まってしまってると思うんで、未見の方はご注意を。
この映画、よくある身を滅ぼす系ではありません。身は滅びません。あの絶体絶命の窮地から不死鳥のように復活します。やったね!
それもこれも奥さんの力です。この女は自分のステイタスと夫の出世のためなら何でもやります。この女こそ策士で政治家です。パトリック・ウィルソンはもう一生この奥さんに頭が上がりません。しかしそれだけじゃない。
よくよく映画全体を振り返って見るとはっきり判ります。この映画はエリートのためのエリート映画、エリートは何をやってもエリート、エリートの世界は不変、そういう作りになっています。
真面目な主人公が堕ちていき、反省して人間として成長する話の真逆を行きます。エリートとして半人前だった主人公が立派なエリートに育つというエリート育成根性物語なのですよ。
同じエスコート嬢の会員だった上司、正義漢に見えて立ち回りが上手いだけの俗物ライター、FBIに選挙屋、政治目的の慈善事業から相互擁護の緩い結束、エリートネタで散りばめられ、そのシステムの小気味よさにお口あんぐりのエンディング、まったくお見事。今時こんな話でどうするつもりだろうと思っていたけどそう来ましたかと最後はほんとに感心しました。
すっきりさわやか、予想を裏切る収束に目が点になること請け合い。この映画は「はたらくおじさん 〜エリート編」なんざます。しぇーっ。
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