ナイルパーチという魚の漁から加工、流通、輸出を軸に描きますが、グローバル経済という名の現代の戦争兼植民地政策兼奴隷制度兼悪徳のシステムの実態を垣間見せます。
これらの事実は頭では知っていることでしょう。頭で知っていても現実を突きつけられれば衝撃を受けてしまうという典型的なドキュメンタリーです。
グローバル経済なんていうハイカラな呼び名で浮かれていますがやってることは19世紀産業革命時の欲呆け支配や悪徳独裁政治や奴隷制度と何一つ違いはありません。
これが資本主義という頭のいかれた宗教のなれの果てです。民主主義という言葉が生まれて久しいですが、資本主義などは大概にして民主主義に少しでも近づくべきですね。
この映画に対して、タンザニア側が「事実に基づいていない」と抗議を行ったらしいです。ある意味局所的に暗部を強調している撮り方をしているのだからその気持ちもわからなくはないですね。
また「貧困や治安の悪化は他に原因がある。魚に結びつけすぎ」という批判もあるそうです。いや別に単純に魚が原因とは言っていないでしょう。どこをどう見ればそんなふうに思えるんだろう。この批判はちゃんと映画を観る訓練が出来ていない人が行ったと思われます。
2008.01.22