初監督作品でこの題材はなかなかイカしてますね。個性派俳優ケビン・ベーコンの渾身の一作なのに内容は過保護のママ物語。渋い。
内容は、皆が予想するような、溺愛ママがどんどんパワーアップして最後は気違いみたいになってしっちゃかめっちゃかになってしまう、というような一面的なものではまったくなく、比較的淡々としています。過保護が「だんだんパワーアップする」ということも特になく、一定の過保護っぷりを維持している感じ。過保護っぷりや溺愛を「異常者」と捉えず、若干肯定的に見ているのも注目。愛の一種であり、致し方ないこと、みたいな監督の優しさすらにじみ出ています。
ちょっと不思議な映画です。
溺愛ママを演じるキーラ・セジウィックはケビン・ベーコンの奥様ですね。奥様だけでなく、この映画にはケビン・ベーコン一家が総出で取り組んでいます。映画作りってのは大変なことで、常に予算や期間に追われます。家族の協力なしに映画を作り上げるのは如何に有名人ケビン・ベーコンとは言え無理なのでありましょう。
随所に挟まれる少女時代のシークエンスがとても気に入った。あの少女時代だけで面白い映画が作れそうですよ。
2010.2.27