モロッコ、メキシコ、日本という何やら象徴的な場所を舞台に、群像劇と時間軸をずらした技法でコミュニケーションと心の不手際、共同体から都市における個人の不確実性などを抉ります。
テーマであるコミュニケーション不全については、これまでもいくつか同じテーマの映画作品があったように思いますが、テーマそのものより、個々の描き方や演出に見るべき部分が点在しています。部分部分「おっ」と思うような冴える演出があるんですが、映画全体を覆う情緒性、耽美性がうざく感じるところもなきにしにあらず。
スペインやメキシコの映画って、情熱的熱狂的というイメージがあるかもしれませんが、それに加えて感情的情緒的な部分が日本人作品と通じるところもあります。やたらねちっこく、感情感情した演出が目立つんですよね。悪く言ってるんじゃないですよ。不思議だなあと思って。
2006年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞。
2010.2.14
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