その手に触れるまで
ダルデンヌ兄弟の新作「その他に触れるまで」でがっつんがっつん見せつけられるのは見たままのそれ。
ダルデンヌ兄弟の新作「その他に触れるまで」でがっつんがっつん見せつけられるのは見たままのそれ。
インド映画のニューウェーブ、「裁き」は裁判と裁判に関わる人たちに関する映画です。歌って踊るだけがインド映画じゃありません。
「これは真実の物語を元に作られた映画ではない」との文言が映し出されて映画が開始します。直後に一部の文字が打ち消され、「これは真実の物語 である」となります。おおっ。何やら強気で来ました「アメリカン・アニマルズ」です。
J・G・バラードの「ハイ-ライズ」の映画化。監督は「サイトシアーズ」の奇才ベン・ウィートリーです。これ観ないでどうすんだというレベルにて、置き去りにすることなど到底出来ない特殊映画に仕上がった「ハイ・ライズ」です。過去による近未来の混沌を混沌のまま描くイライラと不快さと哀愁に満ちた怪作。
「UNIT7 ユニット7 麻薬取締第七班」は万博直前のセビリアを舞台にした刑事ドラマというかやくざの抗争劇みたいな映画で、成長期の大きな変化の中で時代の狭間にもがき翻弄される都市や人間たちを描きます。
マイケル・ムーア2015年の話題作「世界侵略のススメ」は各国の良い部分を盗んで米国に持ち帰ろうというコンセプトで諸外国の羨ましい良いところをまとめて紹介する“痛快かつ深刻な世界まるごといいとこレポート我が身を省みて絶望と希望の混濁に泣いて笑ってドキュメンタリー”の快作。
生放送中のテレビ番組「マネー・モンスター」に乱入してジャックする一人の若者。番組に乗せられて株買って大損して自暴自棄の犯人は司会者に爆弾を着せ自分の言葉を放送するよう要求します。ジョディ・フォスター監督によるテレビジャックのドキドキサスペンス。
「籠の中の乙女」のヨルゴス・ランティモス監督2015年の映画「ロブスター」は有名スター共演の英語ドラマでジャンル不詳の偏執狂的批判的ニュータイプニューウェーブSFディザスターラブロマンス行動心理学ナンセンスコメディの怪作にして傑作。地獄とギャグで逆接的愛の証と生きる意味。
動物との会話、猟奇殺人、終わった町、面白い人々やお店。マルジャン・サトラピが監督を引き受けたコミカルホラースリラー「ハッピー・ボイス・キラー」は個性的な一本で、映画製作におけるひとつの大勝利。
シングルマザーのバージニア(ジェニファー・コネリー)は息子と二人暮らしで奇行が目立つ変わった女性です。閉鎖的な海辺の街で暮らす母親と息子のアンチ・ホームドラマ
感染者にしか見えない「それ」がじわじわと追ってくるという悪夢っぽいホラー要素に性と青春要素を絡めた現代的なニュータイプ青春ホラー映画にて大ヒットの2014年「イット・フォローズ」で甘酸っぱい恋と恐怖をご堪能。
幸せそうな家族を装った北朝鮮のスパイ班、日々スパイ活動や暗殺などを行っております。お隣さんは喧嘩の絶えない資本主義の堕落を象徴する家族です。しかしスパイ班とて人の子であり人の親、隣家と接するうちにだんだんと・・・。基本コミカルな映画ではあるものの極めて深刻な物語が待ち受けています。
1975年にカンボジアを掌握したポル・ポト率いるクメール・ルージュが行った大粛正。記録映像の多くが失われていることもあり、これを語るために犠牲者が葬られた土から作った人形を用いて歴史を描き出す映画です。
ポルトガル、世界遺産のギマラインス歴史地区を題材に4人の監督による短編を集めたオムニバス映画。監督はアキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・ド・オリヴェイラの4人です。
金融界で成功した若き実業家がオフィス代わりに使用して引き籠もっているリムジン世界内に現れる幻惑的エピソードで綴る文芸的破滅物語。デヴィッド・クローネンバーグ2012年の警告。
巨大な堤防によって隔絶された南部のバスタブ島に暮らす少女の物語。「ハッシュパピー」は若手監督が良作を引っさげて業界を驚かせた貧困とファンタジーのちびっ子映画。
フランスでかつて有名だったプロデューサーのジョアキム(マチュー・アマルリック)が今ではアメリカでニュー・バーレスクのショーをプロデュースしておりまして、その彼がショーガールたちを引き連れて祖国フランスでのツアーを開始しています。
歪んだ資本主義の末路である全体主義的管理社会の歪をスタイリッシュに綴る近未来SF。
何にもない荒野で無意味な強制労働をさせられている罪人たちの餓えと絶望。
ジム・ジャームッシュ2013年新作映画は珍しくも吸血鬼のお話。でも「オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ」の吸血鬼は音楽家で文学者で哲学者で詩人のボヘミアンたち。文化と社会に言及し、洒落と知性に満ちた理想世界のファンタジーを見せてくれる最高の一本。