アメリカン・アニマルズ

「これは真実の物語を元に作られた映画ではない」との文言が映し出されて映画が開始します。直後に一部の文字が打ち消され、「これは真実の物語 である」となります。おおっ。何やら強気で来ました「アメリカン・アニマルズ」です。

ゴースト・ストーリーズ ~英国幽霊奇談~

イギリスで大ヒットしたホラー舞台劇をその作り手たちが自ら映画化したゴースト・ストーリーズ。偽降霊術を暴く教授が三件の事例を依頼され調査に出向きます。

カスパー・ハウザーの謎

ヴェルナー・ヘルツォーク監督1974年の「カスパー・ハウザーの謎」がリマスター発売され飛びつきます。19世紀ドイツの謎、身元不明の野生児カスパー・ハウザーを描いた映画ですが、ヘルツォークがこの実話をどのように映画作品としたのかに興味ありました。

さざなみ

結婚45周年の夫婦を描いた「さざなみ」は高齢化時代を見据えた新たな老人映画の地平。ゆれる夫婦の心を容赦なく表現するシャーロット・ランプリングとトム・コートネイの熱演に仰け反る同時代人続出。この世に老人などいない。老人など幻想にすぎない。

コングレス未来学会議

「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督が「惑星ソラリス」の原作でも名高いスタニスワフ・レムの原作を映画化。実写とアニメで描く幻想SF。

ロブスター

「籠の中の乙女」のヨルゴス・ランティモス監督2015年の映画「ロブスター」は有名スター共演の英語ドラマでジャンル不詳の偏執狂的批判的ニュータイプニューウェーブSFディザスターラブロマンス行動心理学ナンセンスコメディの怪作にして傑作。地獄とギャグで逆接的愛の証と生きる意味。

MAMA

精神状態の悪い父親が幼い姉妹を雪深い山小屋へ連れて行って放置、その後の娘たちがどう育ったか。新人アンディ・ムスキエティの短編をギレルモ・デル・トロが気に入り、製作総指揮で長編映画化したホラーファンタジー。

ジプシーのとき

ジプシーが出演しジプシーの言語をも採用したことでも話題だったエミール・クストリッツァ1988年の「ジプシーのとき」はいろんな意味でジプシーブームの先駆けでクストリッツァ史的にも重要な起点となった特別な一本。

アンジェリカの微笑み

マノエル・ド・オリヴェイラ監督2010年の「アンジェリカの微笑み」は小さな町で死者に魅せられた青年を描く幻想的な物語。彼が取り憑かれたのは美女なのか歴史なのか。

昔々、アナトリアで

刑事検事に犯人警官穴掘り人に軍警察、むさ苦しい男たちがぞろぞろと車で荒野を移動しております。いや荒野でなくて畑や湧き水もありますが、不安感掻き立てる何もない小アジアの田舎の一角です。ここで何をしているかというと死体を探しているのです。

悲しみのミルク

南米の貧しい村、年老いた母親を失った娘ファウスタは埋葬費用を稼ぐためメイドの仕事を始めます。苦悩と歌を引き継ぎ心を閉ざした女性ファウスタの物語。バルガス=リョサの姪クラウディア・リョサ監督が放った南米文学マジックリアリズム映画の神髄、極上の逸品。

アクト・オブ・キリング

1965年、インドネシアで起きた大規模虐殺の実行者たちを映し出すドキュメンタリー。これは脅威的。ドキュメンタリー映画として、単に映画として、歴史として、政治として、物語として、映像美として、そして人として人類必見。

トランス

ダニー・ボイルが「トレインスポッティング」「シャロウ・グレイブ」の脚本ジョン・ホッジと久しぶりに組んだスタイリッシュミステリースリラー。めっちゃかっこよくておもろい。やってくれたぜぼくらのダニー・ボイル。

ル・コルビュジエの家

リフォームの改装工事をめぐるお隣さん同士のトラブルを描きますが、その家がル・コルビュジエが設計した家ということで、トラブルと名建築家の建物とおかしな人と摩訶不思議な出来事を堪能できるテーマ分散型不条理設定のモダンムービーにございます。そうとう面白い。

ペインレス

1930年頃、痛みを感じない子供たちがおりました。酷い自傷行為などを行っております。そんな子供たちの波乱の生涯、それと現代の外科医デヴィッドが自分のルーツをさぐります。