社会派群像劇。この映画は難しいです。素人が手を出すと「さっぱり意味が分からん。眠くなってきた」と、こうなります。
元CIA工作員が書いた告発本「CIAは何をしていた?」をベースに、スティーブン・ギャガンが脚本化、映画化したとのこと。たとえこの本を読んでいなくても、少なくとも現実社会でCIAが何をしてきたか、どういう連中が絡んでいたかということを前提として認識していなければなりません。したがってすっとこどっこいな映画でしかCIAを知らないような人はすでに置いてけぼりです。
そして群像劇です。そう、あちらこちらに舞台が飛んで、バラバラな人たちがそれぞれの物語を進めます。舞台がどこか、どのような人がどのようなことをやってるのかを理解しないとぽかーんですよ。群像劇が苦手な人はさようならです。
さらにこれは中東問題でありまして、ここでまた知識のない人は振り落とされます。私も中東問題には詳しくないので振り落とされそうになりました。「シリアナ」という言葉すら知らないとなると、完全にアウトかもしれません。ええそうです。私も知りませんでした。
シリアナというのは単なる中東の架空の国、というようなものではなくて、イラン、イラク、シリアがひとつの民族国家を形成した場合の想定国家名であるらしいです。
はぁ「ある程度中東問題に詳しい人なら誰でも知っている」ですか。知らなくても恥ずかしがらなくていい、今から覚えよう。
「だから、日本の配給会社が原題どおり『シリアナ』と名づけたのは、非常に誠実なことで、評価すべきポイントなのである。このタイトルを見て、興味をそそられないような人々は、そもそもこの映画の対象ではないという事だ。ほかにいくらでも一般ウケする邦題はつけられたろうに、あえてそれをしなかった担当者は立派だ」(超映画批評)
なるほどそうですか。
さてバラバラな群像劇が一点集中してくるあたりはさすが映画です。ドキドキのピークには心臓が飛び出しそうになりますよ。
さて超映画批評では次ように締めています。
「『シリアナ』は、今までこの問題を知っていた人が見て、「よくぞやってくれた」と満足するための映画だ。よって、世間に対する影響力はほとんどなかろう。ひらたくいえば「既出ネタ」であり、そうした意味でこれは社会派映画ではなく、すでに歴史映画といえる」(超映画批評)
なるほど、その通りですね。
今回は他の人が書いた文章に頼りっぱなしでございました。
なぜかというと、ここで正直に言いますと、あまりピンと来なかったという・・あわわわ。
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