安いアイデアと時代が移れば通用しないCGに頼った地獄からの復讐の鬼。人気もさっぱり。続編へと続く、みたいな終わりにしたけれども続編は作られず、すでになかった映画として扱われています。ところがこれ、好きなんですよね。なんかね、馬鹿っぽいの。
最初にコテンパンにやられて全身火傷で死んじまって地獄へ行き、むさ苦しいゾンビ魔神となって蘇り悪と戦う。このおっさんの姿が何とも愛らしい。この馬鹿っぽさに注目しないでどうするのだ。みんな見る目がないなあ。そんでもって、お約束の少年と犬が出てくるに至っては失笑を越えてすでにこの作品を愛し始めていることに気づくのですよ。
おしまい。
と、いうのも淋しいのでもう少し分析してみると、この作品への愛はパッと思いつく「B級TV戦隊もの」への愛と同等ではなく、まったく違う別のところにルーツがあるように思えます。個人的に「戦隊ものへの愛」など微塵も持ち合わせていませんし、レインボーマン以外(笑)
アメコミにも興味ありません。とすれば、どんなに馬鹿馬鹿しくても「映画」に対する愛情に違いありません。ではそれは何でしょう。もちろんもうわかっています。「シンドバッド虎の目大冒険」などのむかしの冒険活劇映画です。
稚拙なCGには冒険活劇映画の大雑把さや出鱈目さが大いに宿っています。だからこの「スポーン」のような極端な世界が好きなのだし、少年と犬が出てきて笑い転げることができるのでしょう。
うん、たぶんそうです。でももちろんこの映画をもう一度観たいとかそういうことは一切思わないでありましょう。
2006.03.29
その後。
正直に白状しますと、もう一度見ました。人の好き好きは理屈じゃありません。