ビョークの魅力炸裂。歌と踊りと貧困と、むごい仕打ちと批判精神、見るべきところが多すぎる名作中の名作。
いまさら「ダンサー・イン・ザ・ダーク」ですが公開当時にネタバレを喰らって観る気をなくし、きちんと見るまでに10年の歳月が必要でした。
ドラマとして、ビョークとして、カトリーヌ・ドヌーヴとして、ラース・フォン・トリアーとして、映像美術として、音楽映画として、ミュージックビデオとして、アメリカ批判として、制度批判として、田舎者批判として、映画文法として、観客に与える衝撃として、きっとこれまでその道のベテランたちが散々語り尽くしたであろうと思われますが、それほど語るべき構成要素が多いのですね。
単に「なにやら可哀想な話で泣ける映画らしい」と漠然と思ってる人がもしいたら、それは全然違いますとだけ言っておきたいところです。まだ観てない人がいればですが。いやまあ可哀想なのは合っていますが、可哀想のベクトルが怒りに向くという点で所謂可哀想物語とは全然違いますんで。
ドラマのむごさや衝撃のせいで「良い映画だけど二度と観たくない」と一部の観客に言わしめる破壊力の本作ですが、何度も観る価値は十分にあります。この後「ドッグヴィル」を撮ることになることを踏まえればトリアー作品としても素晴らしいですし、そんなこと考えなくても普通に映画として素晴らしいです。初見の衝撃を緩和できれば「良いドラマ」部分や「批判の矛先」部分もきっと沢山目に入ってきますよ。
何となく正月早々我が家の映画部で明け方まで感極まって語り倒していたような記憶もぼんやりありますが、ま、新年の酔狂って事で。
2000年、第53回カンヌ国際映画祭で堂々パルム・ドールと主演女優賞。
あけましておめでとうございます
正月ボケみたいな中身のない文章ですんません
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