かつてアメリカで流行ったB級作品を二本立て三本立てで上映する映画館 “グラインドハウス” へのオマージュというか再現、二本立て+架空の予告編で成り立つ「グラインドハウス」ですが、そのロドリゲス版である「プラネット・テラー」が本作。
タランティーノの「デス・プルーフ」と同じく、独立した作品として再編集されました。
さてこの「プラネット・テラー」ですが、ロドリゲス会心の一撃、B級テイストへの愛と力が満開のぶっ飛びムービー、ホラーにしてサスペンスにしてアクション活劇、ダイナミックで大袈裟で下品で楽しく、ワイルドで派手でお茶目でカッコ良い、ロバート・ロドリゲス節が炸裂です。
オープニングは「デス・プルーフ」にも出演しているローズ・マッゴーワンの痺れるストリップシーンに、メキシカンテイストロックビートの素晴らしい音楽、太字のタイトルロゴが重なり開始数秒で興奮のるつぼ、スタンディングひゃっほー状態です。
そして一気にエンディングまで駆け抜け、そのラストショットの美しさ、崇高なシーンと重なってふたたび超カッコ良い音楽のエンドクレジットが終わるまで夢のようなひとときを過ごせます。
この超かっこいい音楽はロバート・ロドリゲスのバンドChingonの演奏で、これほどかっこいい曲が地上に存在するのかと言うぐらいのかっこよさ。痺れます。メキシカン・オルタナティブ・ロックの最高峰。
褒めても褒めても褒め尽くせないこの映画的興奮、これを大傑作と言わずに何と言う。ていうか好きなだけか。すんまへん。
ロバート・ロドリゲスは少年の頃からビデオ片手にマシンガンのような頻度で短編映画を撮りまくり、その中で工夫や表現というものを学び、獲得していったそうです。じっくり練り上げて捻り出す芸術映画と対極にある姿勢ですね。
タランティーノと意気投合して放った「フォー・ルームス」「フロム・ダスク・ティル・ドーン」や、近年の超カッコ良い都会派(笑)クライム・アクション「シン・シティ」などが好きな人にとっては、この「プラネット・テラー」は崇拝してしまいそうなほどのお気に入りになること間違いなし。
2009.06.15
さて「グラインドハウス」の架空予告編の中で特に話題沸騰のぶっ飛び「マチェーテ」( Machete )、最初はDVDスルーで一本の作品に作ろうとしていたそうですが、話が盛り上がったのか豪華キャストを迎えての本気の映画として堂々完成しました。今年9月から公開され、日本でのロードショーも異例の速さで実現、11月6日から新宿バルト9 他、全国で公開です。
Machete(マチェーテ、マシェット)とは、中南米で使われる片手持ちの山刀。
日本の配給って不思議で、何でこの娯楽大作をアート系シアターでしかやらないのか、と思うものや、何でこの変なのをシネコンで全国公開してくれるんだろ、とか、いろいろあります。
この、明らかに客を選ぶヘンテコ映画「マチェーテ」はアートシアターではなくシネコンでも上映されるんですね。 不思議なことです。でもありがたい。
11月6日〜 マチェーテ(Machete)上映館
北海道:ユナイテッド・シネマ札幌
関東:新宿バルト9, ユナイテッド・シネマ豊洲, MOVIX昭島, MOVIX柏の葉, MOVIXさいたま
東海:イオンシネマ岡崎
近畿:MOVIX堺, 三宮シネフェニックス
九州:ユナイテッド・シネマ福岡
ちゃんと公開してくれるのは上記映画館。応援しようっ(抜けがあったらすんません)
2010.10.15
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