何となく観てません知りませんでは駄目かなと思って観てみました。
いやもうやはり伊達に大ヒット作品ではないわけで、テーマパークのアトラクションのように一気に駆け抜けますね。こういうノウハウは流石としかいいようがない。
構想14年、製作に4年以上かけて完成させたという力の入れようですが、テーマとストーリーの取捨選択が見て取れたのも興味深いです。
あまり本気でテーマを語ると普通の映画になってしまって大ヒット娯楽作品にはなりません 。かと言ってあまりにも馬鹿みたいな話だとそれはそれで大ヒットしません。ちょっと深そうなテーマを臭わせつつ逃げ道も作りつつスカッとするお遊びに収束させるというさじ加減です。これはこれで大事。
「そんでもって、結局戦争すんのかよ」とのツッコミを許容しつつ「行けー。やっちまえー」と盛り上げる、と。
CG映像も同じさじ加減で作られてます。リアルすぎず漫画っぽい雰囲気を残したデザインは、物語の「リアルすぎず適度に漫画っぽいニュアンス」 と完全にシンクロするCGです。
一貫してますよねえ。
しかしそれにしてもCGで構築された世界は凄いもんです。ぼわ〜、と夢心地になります。これ3Dで見てたら大変なことになっていたなあ、なんて思います。入り込みすぎます。多分、こういうのは子供に見せては駄目だろうと思うほどです。影響力大きすぎますよきっと。
物語の前半が特に丁寧に作られていて、設定紹介や人物紹介の演出が物語への感情移入を容易なものにしてくれています。おじさんとしましては、前半の部分だけで一本撮ってほしいと思うような出来映えでした。
シガニー・ウィーバー登場でいきなり「私の煙草」と、基地内で煙草を吸うシーンも洒落ています。このような映画でこのようなシーンを入れるのは意図的なものです。煙草は、2000年以上平和を保っていたという驚愕の精神的社会的文明を誇るネイティブ・アメリカンの文化の象徴ですからね。
物語の後半は、大ヒット狙いだったらこうするほかないよね、というような展開になりますので大人が見たらちょっと醒めてしまうかもしれませんが、それはそれで娯楽作品には付きものですから素直にこのジェットコースタームービーに乗って身を委ねるのがよろしかろうと思います。
そのほうが、わーわー言いながら楽しめてお得です。
原住民のファンタジー加減も若干度が過ぎますがアメリカ人の目から見る憧れの原住民の姿なのでしょう。背が高いっていう設定も面白いですね。
残念だったのは、せっかく劇中で良い曲を使っているのに、エンドクレジットの”終わりの歌” が「タイタニック」そっくりな間抜けなヒット曲モドキだった点です。せっかくの余韻があんな曲が鳴り響いたためにいっぺんに興醒め。
あれだけはいらんかったなあ。
アバターはわざわざIMAXでやってる映画館まで足を運んで観ましたがすごかったです。2Dでも充分迫力は伝わってくるとは思いますが、残念ながら3D版に比べればその魅力は8割減。おしっこちびる迫力でした。確かに子供に観せては行けないなと思いました。
IMAXだったらど迫力だったでありましょうねえ。私には2時間以上も3D映像は無理かも。せいぜいハウステンボスのエッシャー館が限界(笑)