1200人以上の難民を救ったホテルマン、ポール・ルセサバギナ役ドン・チードルの見事なはまり役に注目。この人の優しそうな賢そうな弱そうな顔立ちはこの映画の価値を高めています。見事。
さてこの作品、ツチ族とフツ族の対立の果てに起きる大虐殺を背景に、最初は自分の家族だけを救おうとするポールが、他の難民たちをホテルに匿うことを決断し、結果的に1200人以上を救うことになるヒーローになるわけですがもちろん単純なヒーローものみたいな描かれ方ではありません。人間味あるれる演出でじっくり見せます。辛いこともあります。
紛争や虐殺そのものを直接描く事はほとんどなく、その背景にある人種差別政策や国際社会の無策無関心に目を向けさせます。国連軍やアメリカに放っておかれた中で人々が戸惑い、ホテルマンや家族がどういう行動を取るのか、そのあたりが中心になります。
この素晴らしい映画、アカデミー賞やゴールデン・グローブ賞にノミネートされるなど評価が高いにも関わらず、日本での上映が危ぶまれたのだとか。
映画評論家やファンの呼びかけ、署名運動などを経てようやく2006年に日本でもなんとか公開されたそうです。上映運動を起こしたみなさまのおかげです。
この映画は小難しくもなくややこしくもなく重すぎることもありません。普通に名作映画です。役者は味があるし、音楽も素晴らしい。
2008.07.01
「ルワンダの涙」と両方観るといいかもしれません。
“ホテル・ルワンダ” への1件の返信