オープン・ユア・アイズ

Abre los ojos
男前で金持ちでナルシストのモテモテ君25歳。同じ女と二度は会わねえよ。うわ。お前は夕べの女。消えろ。おれはペネロペに惚れたんだよっ。
オープン・ユア・アイズ

というわけで、「テシス」「アザーズ」「海を飛ぶ夢」の才人アレハンドロ・アメナーバルの97年の作品。この映画の素晴らしさに惚れ込んだトム・クルーズが大枚叩いてリメイク権を買い取り、数年後ほんとにリメイクしちゃった元の映画。

個人的に観る順序を間違った。先にリメイクの「バニラ・スカイ」を観ていて、オリジナルは今夜初見。
確かに皆の言う通り、何のためにリメイクしたのかわからない。ほとんど一緒。ペネロペも一緒。

あっ。そうか。トムの狙いはこの映画じゃなく、ペネロペその人であったか。

強ち冗談とも言い切れない冗談はさておき、このオリジナル「オープン・ユア・アイズ」ですが、はっきり言って雲泥の差で圧勝。「バニラ・スカイ」に観る価値はありません。ちょっとでも「バニラ・スカイ」を観たいなと思ってる人は、トム・クルーズ目当ての人以外は躊躇なくこちらオリジナルを観るべきです。

リメイクは確かにオリジナルとそっくりです。雲の形まで似せています。なのになぜ、オリジナルはこんなに面白くてリメイクはあんなにつまらないのか。
映画って深いですね。
その件に関しての考察があるのですが、それを発表すると完璧にネタバレ世界になってしまうのでここで公にするのは差し控えさせていただきます。
ちょっとだけ言うと、ラストの声、「目を空けて」に対するイメージの違いと言いましょうか。「目を空けて」と言っているのが誰なのか、言われているのは誰なのか、言われた時期はいつなのか。
その重要な点が、オリジナルでは不明確なものとして伝わります。リメイクではなぜか明確なものとして伝わります。この差は、スペインとハリウッドの違いなのでしょうか。演出の違いなのでしょうか。両方かな。
この二つのイメージの違いは決定的なんですよね。片やあくまでも不穏な精神状態のままのエンディング、片や突飛でファンタジックなエンディングと感じられるということですが、みなさんはいかがでしたでしょう。

追記

ここで追記ですが、どうも「バニラ・スカイ」を貶しすぎたようで反省しています。
というのも「バニラ・スカイ」、悪くないです。特ににキーとなる女性を演じるキャメロン・ディアスはオリジナルとの大きな違いを見せつける存在で、結構いいかも、と思っています。こっちはこっちで見たときは面白かった。
やっぱり貶すって駄目ですねえ。了見の狭さが露呈してしまってお恥ずかしい限りです。

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