アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥのデビュー作。気になっていた作品で、鑑賞してみた。
同時進行する3つの物語のキーワードは犬。どのお話にも犬が登場します。そう。犬の映画です。いや違う。象徴としての犬ですか。ちょっと見ていられない辛い場面有り。
三つの物語は、イニャリトゥの後の作品のように交差したり時間軸がややこしかったりするわけではなく、順番に出てきてまるで短編集のようです。
で、このお話がですね、三つとも良いんですよ。見応えあります。2時間半を越える長尺ですが、のめり込んでみてしまいます。
この作品が認められ、3年後「21グラム」を完成させるんですね。「21グラム」と同じ種類の緊張感がこの「アモーレス・ペロス」にも充満しています。この2作品はいいですね。
三つの物語はある共通の出来事で繋がっていますがそれ以外は特に深い関係がありません。一本の映画に三つも詰め込むとは何て贅沢な、と思ってしまいますよ。一本ずつ独立した作品に仕上げても何ら問題ないレベルです。あーもったいない。
というかこれはコンビの脚本家、ギジェルモ・アリアガの個性のようですね。「アモーレス・ペロス」「21グラム」「バベル」の三作品はどれもイニャリトゥ監督、ギジェルモ・アリアガ脚本です。
ギジェルモ・アリアガが気合いを込めて脚本と監督をこなした「あの日、欲望の大地で」 (2008)も三つぐらいの話を時間軸ずらしながら交差して物語る技法を用いていますから、ギレルモさんが群像劇の犯人ですね。
今後はどのような作品を撮るのでしょうか。やっぱり群像劇でしょうか。そろそろ違うパターンを求めているファンも多そうですが。ライフワークとして一生群像劇に身を捧げるならそれもよし、付き合いますよ。
ギジェルモ・アリアガは傑作「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」でも脚本書いてたんですね。
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