刺繍の作業工程を丁寧に撮っていて、そういう細かなところが大変よいです。刺繍も美しい。基本的になにやら美しい映画ですよ。
物語は、望まない妊娠をしてしまった少女と、ひとり息子を亡くしたばかりの婦人の、まさに針を刺すような緊張感から何となく思いやりのようなものが生まれて来るそういう感情の動きを静かに無口に美しい映像を交えて描いていきます。
少女の望まぬ妊娠というのは古今東西ドラマのテーマとして定番な気がします。具体的にはあまり知りませんけど。
おっと未来が見えてきましたよ。
望まぬ妊娠を描いた映画として、来年以降に公開される二本の映画を比較対象として挙げてみましょう。
「Juno/ジュノ」(2007年/アメリカ)と「4ヶ月、3週と2日」(2007年/ルーマニア)です。
この二本を加えた三本の「望まぬ妊娠」シリーズを俯瞰してみると、やはり「映画って面白いなあ」と思わないではおれません。同じテーマを扱って出来上がった映画は三者三様、それぞれ個性的です。どれも見る価値ありです。
2006.11.18
追記。
メモ程度の感想文がへぼいので、なんとなく予告編貼ってみたりして。
お嬢ちゃんクレールを演じたのは1987年生まれのローラ・ネマルクという女優で、日本では他の作品があまり紹介されていないんでしょうか。
息子を亡くした婦人を「マルセイユの恋」のアリアンヌ・アスカリッドが演じています。この方も、厳しそうで優しい良い感じでした。
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