フューネラル/流血の街

1930年代、ニューヨークで頑張るマフィアの家族、固い結束の三兄弟を描きます。ただし三男は冒頭から死んでいます。その三男のお葬式(funeral)、長男宅に次男を初め家族が集います。弟に何があった。弟はなぜ死んだ。

宇宙人王(ワン)さんとの遭遇

ここはローマ。中国語の翻訳家ガイアさんに急な同時通訳の依頼の電話が入りまして、いそいそと出かけますと目隠しをされてどこか判らぬ隔離された取調室に連れて行かれ、中国語を話す謎の宇宙人の尋問に付き合う羽目に。

コッポラの胡蝶の夢

フランシス・フォード・コッポラ監督が10年ぶりに監督したという「コッポラの胡蝶の夢」はある種の物議を醸した地味目の老人ファンタジー。「若さなき若さ」の映画化。

ぼくたちのムッシュ・ラザール

担任を失ったクラスに新たにやってきた先生はアルジェリア出身のバシール・ラザール。至って真面目な男です。小学校を舞台に、それぞれが孤独と不安を抱える生徒と教師を描きます。

ブリューゲルの動く絵

ブリューゲルの「十字架を担うキリスト」を映画化した作品。なんのこっちゃとお思いでしょうが、絵画作品の映画化というのはこういうことだと妙に納得出来る映像派アート作品です。

ピラニア リターンズ

爆裂的怪作で残虐映画史上に残る傑作「ピラニア3D」の大ヒットを受けて作られた続編「ピラニア3DD」は監督がジョン・ギャラガーという、最初からあっち方向に狙いを定めたあれ系ナニ映画。

刑事ベラミー

南フランスで妻と休暇を過ごす有名警視ベラミー。彼の元に一人の謎の男が「おれの話聞いてくんないかなー」と現れます。世間を賑わしている保険金詐欺殺人事件の関係者のようです。休暇中の有名人警視ベラミーは興味津々で深追いを始めます。

汚れた心

第二次大戦終戦直後、ブラジル移民の日本人に起きた血で血を争う事件の映画化。映画では日本人村で徒党を組む狂人ファシストが同胞を狙います。「国賊」の印を付けて殺すのです。

少女ヘジャル

悲惨な目に遭って生き延びたちびっ子クルド人少女ヘジャルと、妻を亡くした老人がひょんなことから出会います。社会的背景を持つちびっ子と老人の映画です。ちびっ子と老人映画にめっぽう弱いMovieBooです。これは来ました。これはぐっと来ましたよ。たまらん。これはもうたまらん。これべた褒め。

アンチボディ

変態猟奇殺人犯の男と田舎の警官が対峙します。いわゆる「羊たちの沈黙」とか「セブン」とかの系統の、犯人と警官の対話による心理戦系サイコスリラー。そういう系ですがなかなかよくできてます。

汽車はふたたび故郷へ

ソ連時代のグルジア。やんちゃでカメラ好きの少年はやがて映画監督になりますが祖国の窮屈さに我慢できずにフランスへ旅立ちます。若い映画監督の奮闘を描くこの映画は、グルジアの巨匠オタール・イオセリアーニ監督の半自伝的な映画であるそうです。

果てなき路

映画を撮る映画です。映画化のモデルとなった事件、その映画を撮影する面々、撮られた作品そのもの、振り返って作品を観る人、そういった多重の映画内世界が並列に複雑怪奇に入り乱れて大きなうねりを作ります。

コレラの時代の愛

ガブリエル・ガルシア=マルケスの同名小説の映画化。内戦とコレラが蔓延る世紀末のコロンビアを駆け抜ける怒濤の50年間。ハビエル・バルデムの怪演がラテン文学の映画化に何をもたらしたか。

裏切りのサーカス

「ぼくのエリ」のトーマス・アルフレッドソン監督が、ジョン・ル・カレの小説「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」を映画化。ゲイリー・オールドマンにジョン・ハートにコリン・ファースにトム・ハーディなどなど、大物著名俳優を迎えてじっとりがっつり冷戦時代のスパイを描きます。

ディヴァイド

核攻撃を受けて壊滅状態のニューヨーク。アパートの地下シェルターに逃げ込んだ男女9人の不安と不信の密室劇。ホラー要素も含めてのシチュエーションSFスリラー。監督が「フロンティア」のザヴィエ・ジャンです。

それでも、愛してる

鬱の会社社長がビーバーのぬいぐるみを腹話術のように使って活発になります。頓珍漢な邦題をつけられたコミカルで妙なこの映画はジョディ・フォスター監督の「ザ・ビーバー」

メン・イン・ブラック3

MIB3です。「メン・イン・ブラック」のパート3です。パート2から10年くらい経ってるそうです。何故突然パート3を作ったんでしょう。それはともかく、今回はタイムスリップします。でも心配ご無用。

[REC]3 ジェネシス

超面白い感染オカルトPOVの「REC」と「REC2」に引き続きのシリーズ3作目です。3作目ですがジャウマ・バラゲロ監督してませんし関係してません。お話は前作までと無関係な独立したお話で、しかもあろうことか今作POVじゃありません。これはどうしたことか。いろんな映画の悲惨だったパート3の悪夢がよぎります。これ観てもいいのか。本当に観ていいんですか。

幸福の罪

幸福な家族に舞い込む事件と顛末。唐突に訪れるある事件のために、ある家族を不穏が包み込みます。家族や元家族の愛のドラマであり、犯罪と事件のミステリーであり、秘められた性癖の心理劇であり、裏切りとどんでん返しのサスペンス劇場であります。まあその、それだけじゃなく、いろんな意味で不可思議なチェコの映画。

孤島の王

ノルウェーの孤島バストイにある非行少年用の矯正施設。隔離された環境の同施設の実態と少年たちの様子、そしてここで起きる事件を描く実話ベースの物語。

変態男

「変態男」という邦題を付けられたこの作品、オリジナルタイトルは「凡人」です。ホラーでもスプラッタでも色物系低品質映画でもありません。
ヨーロッパの新鋭監督による変な路線の良作を日本に紹介する変態箱シリーズ、その中でも「変態村」と並ぶ屈指の出来映え。

ハード・キャンディ

出会い系チャットで知り合った14歳少女と32歳カメラマン。さっそく会うことになりまして、カメラマンの自宅兼スタジオに場所を移します。エレン・ペイジとパトリック・ウィルソン、たった二人の緊迫しまくる室内劇。駆け引き系心理系応酬サスペンスの大傑作。

シルビアのいる街で

6年前の恋の街、彼女の面影追い求め、イケメン青年カフェ通い、目に映るのは美女ばかり、恋に恋する情欲を、掻き立てるかの街の顔、路面電車に路地裏に、生活臭に労働に、闊歩しまするシルビアの、まぶしいばかりの後ろ付き。

ドライヴ

昼は整備工と映画のカースタントマン、夜は強盗の逃走を手助けするドライバー。孤独な男がお隣さんの人妻に一目惚れ。よっしゃ彼女のために一肌脱いでやろうじゃないの。という任侠系映画。

この自由な世界で

移民労働者の職業斡旋業を始めたシングルマザーの奮闘記。彼女の仕事と移民の事情、底辺労働者と底辺自営業者の勘違いとド根性。これが自由な世界に生きる道。ケン・ローチ会心の一撃。

トリコロールに燃えて

第二次大戦前後のパリを主な舞台にした三人の男女10年間の愛の物語。上流階級育ちの享楽的美女ギルダ(シャーリーズ・セロン)、祖国の内戦状況に後ろ髪引かれるスペイン美女ミア(ペネロペ・クルス)、そして理想を求める男ガイ(スチュアート・タウンゼント)の三人が、歴史と戦乱に翻弄されながら愛と友情の物語を繰り広げます。

明日へのチケット

エルマンノ・オルミ、アッバス・キアロスタミ、ケン・ローチの巨匠監督三人によるコラボレーション。列車を舞台に三監督による三つの物語が描かれます。三つの物語ですが、全体として一本の長編映画のようにシームレスに結合。しっとりしててコミカルで不思議でちょっとドキドキしてプチ感動あり。

ラブリー・リタ

少女リタです。ちょっとおしゃまで不機嫌さんです。あたしは可愛い女の子、けど毎日なんて退屈なの。なんてつまらないのかしら。私を認めて。可愛いと言って。ラブリー、リタ。
などと暢気に構えていられる映画じゃありません。ハネケの弟子、ジェシカ・ハウスナーのデビュー作は揺れ動く乙女心と不機嫌の頂点。