以前のは 一口感想 vol.1 一口感想 vol.2 です。今回vol.2の続きです。
名作揃いですよねえ。名作見過ぎたら名作シンドロームを患いますから力の抜けた映画も必要です。
ここに羅列したやつは気が向けば一本の記事として上げ直しますが、ここにこうして書いたことですっきりしてもういいやってなるかもしれません。ではいきます。
ガリシアの獣
RECのもう一人の監督、パコ・プラサの気合いの一本。これすっごくいいです。パコ・プラサってハチャメチャな部分を担当している監督と思い込んでいたけど完全撤回。ファンタジーと歴史とホラーとその後も描く盛りだくさんな内容に留まらず、印象に残る強い力を持つカットが目白押し、個人的には傑作の分類しています。
ホーボー・ウィズ・ショットガン
「グラインドハウス」の架空予告編から生まれた「マチェーテ」みたいな感じの映画。ドシャメシャのゴア、低予算映画への愛と尊敬に溢れた素晴らしい作品。惚れた!
Mr.ゴールデン・ボール/史上最悪の盗作ウォーズ
傑作映画が続きますが「ナポレオン・ダイナマイト」のジャレット・ヘス監督のやつです。めちゃすごい。たまらないです。作家を目指す青年のお話。ジャレット・ヘス天災。いや天才。
ギリシャに消えた嘘
落ち着いたミステリーというかスリラーで、良作です。人間関係的に良いドラマが展開したような。画面の切り取りもいい感じでした。これって原作者が監督したんですってね。
バードマン
傑作続きで息も絶え絶えですね。「バードマン」傑作すぎてひるみました。でも完成度が高すぎたことと、技術的に高度すぎたことで隙や油断が感じられず、すごかったなーすごかったなーというしかないという大きな欠点がありました。
おみおくりの作法
強いストレスにいちばん効くのは泣くことだそうです。今からでも遅くない、未見ならば「おみおくりの作法」を見て涙に暮れてください。たっぷり泣いた後は気分がすっきりして心が少し落ち着きます。もちろんこの映画は泣くところだけが良いのではなく、観ている間ずっと良いんです。
危険なメソッド
「マップ・トゥ・ザ・スターズ」と「危険なメソッド」はデヴィッド・クローネンバーグのこの時期の何か模索というかそういうのをちょっと感じます。結構、次々といろんなチャレンジする監督ですよね。支持します。これはフロイトとユングの話で、面白いドラマが展開しますよ。ただフロイトとユングだったら普通はやっぱ専門の学問のほうに興味を持つものなので、そういうのをすっ飛ばしてドラマドラマしたこの映画のそのアンバランスさをどう受け取るかってあるかもしれません。
セッション
ミュージシャンはこの映画を褒めたらあかんみたいな雰囲気もありました。うむ。確かにちょっと判る。スポコンにしろジャズの使い方にしろ「アホかおんどれぼけカス」というのが正しいミュージシャンの姿かもしれん。タバタミツルも貶しとった。しかし私はほめるんです。だってめちゃ面白かったしドキドキしたし。
ニンフォマニアック
MovieBooの更新が途絶えだした頃の映画をだーっと羅列していますが、やっぱりあれですね、良い映画見すぎて疲れたんですね。褒める以外にすることないですからね。
ただニンフォマニアックはマニアックに語りたいことが多すぎて、そのあまりの多さに感想文書くのを頓挫した挫折の思い出があります。見事です。トリアー超人。
クラウン
おっ。久々ホラー、ホラーでピエロってあんまり好きじゃないんですけど、この「クラウン」は大変わたし好みです。ピエロの扮装をしたら取れなくなっちゃうんです。爆裂おもろいです。と、思ったらイーライ・ロスがプロデュースしてたんですね。この映画は、学生が作ったフェイクの予告編が元になったそうですね。学生、おまえ天才やな。
オン・ザ・ハイウェイ
シチュエーションもので、一人きりってパターンです。一人が電話で喋るだけで映画一本作ります。この手のやつは脚本が命で、よほど凄い脚本でないと持ちません。で、これも素晴らしいです。運転しながら電話しまくります。仕事の話やいろいろやります。最高ですよこの映画。一人しかいないのにもの凄いドラマを見た気になります。脚本家は一度はこうした設定でドラマを書いてみたいと思うでしょうねえ。この手の一人ドラマ、知ってる限り、すべて傑作です。
リアリティのダンス
ホドロフスキー監督の「リアリティのダンス」ですよ。私小説的でもあるし、若い人間に力を与えますし、魅了されるシークエンスの数々、良い映画ですねえ。しんみり。
バチカンで逢いましょう
「バグダッド・カフェ」あったでしょ、あれの女優さんの新しい映画ってので見ました。普通の映画としてまったく悪くないんですけど、マリアンネ・ゼーゲブレヒトがね、なんかただのふつうのおばさんの魅力でしかなく、実に類型的なドラマでした。せっかくのマリアンネさんなんだから個性的なのを期待しますよねえ。
スマート・アス
「変人村」のキム・シャピロン監督なんですよ。だからわくわくして見ました。ちょっと頼りない映画ではありますが、個性的で良かったですよ。
シャドー
ダリオ・アルジェント大先生、懐かしの「シャドー」です。これはスリラーの系統です。当時ジュリアーノ・ジェンマが出ていてびっくりしたものです。
ザ・バンク
トム・ティクバ監督のクライム映画、ナオミ・ワッツも出ています♥ アクションよりのスリラーですけど、これいいですよ。トム・ティクバ監督、さすが強い力があります。
こうのとり、たちずさんで
ぐわー。テオ・アンゲロプロス監督の「こうのとり、たちずさんで」ですよ、ド級の傑作で一生に残る魂の映画、名作中の名作、1982年の映画ですけど見とかないとあかんやつです。震えました。この映画は。
ナポレオン・ダイナマイト
ジャレット・ヘス監督のこれが「ナポレオン・ダイナマイト」日本では電車男とか何とか変な邦題のせいで広く知られることがなかったという、今は「ナポレオン・ダイナマイト」としてちゃんと見れますね。これぞアメリカン最強コメディ、ジャレット・ヘス天才。
鉄くず拾いの物語
尊敬できるダニス・タノヴィッチ監督による貧困の物語。ドキュメンタリーとドラマの完全融合。現代人必見。辛くても必見です。ミニシアター好きは小金持ちが多くて判らないかもしれんが、他人ごと、可哀想な人たちとして眺めるのではなく、心の底から見ないといけません。頼みますよ。
フリーズ・フレーム
過去に冤罪で捕まった経験があるために精神ちょっと病んで、自分の潔白をいつでも証明できるように24時間己の暮らしをビデオに撮り続ける男。アイデア面白いしいい感じの映画です。けどスタイリッシュすぎる映像処理にうんざりしてきました。
悪魔の棲む森
「悪魔の棲む家」ではなくてスペイン映画「悪魔の棲む森」です。母と少年が田舎に越してくる話で、森に何かいます。わりと意外な展開で楽しめました。なんつってもスペイン映画ですから、多少のことは問題ありませんし。
インヒアレンス・ヴァイス
豪華キャストが目白押し、ポール・トーマス・アンダーソン監督の「インヒアレンス・ヴァイス」です。良いんです。とても良い映画です。面白いし。それはわかります。でも個人的にあまり乗り切れなかったのは何故なんだろう。気に入らないところなんてないのに。不思議です。ときどき理由なく乗り切れないことがありますが、もうフィーリングやな、と理由を探らず諦めることにしました。
テナント
ちょっと古めのポランスキー「テナント」です。普段は古い映画を見ることが比較的少ないです。たまに見るとやっぱおもろいなー、すごいもんやなー、と感嘆します。この「テナント」もそうです。すごいわ。
マッド・マックス 怒りのデス・ロード
これも話題沸騰でした。ノリノリでした。うおーっって。がおーって。流行になってしまうと、旬が過ぎた後ちょっと辛いですよね。映画はいつ見てもいいはずなのに。「怒りのデス・ロード」は最初の「マッドマックス」くらい価値が定着していつまでも見られる歴史的映画になるでしょうか。
ババドック 暗闇の魔物
あっ。「ばばど〜〜っく」や!これ大好き!少女とご本。すっごく好き。この映画。
約束の地
混乱の極み、怪作「約束の地」ですわ。これ見たときは驚きました。こういう映画がときどき現れるのは人類の希望です。ヴィゴ・モーテンセン主演の、文芸映画ですが、文芸といっても南米マジックリアリズム系の文芸です。これ絶賛。リサンドロ・アロンソ監督ですが他の作品を知りません。「約束の地」は永久欠番の傑作。
バッド・マイロ
あっ。バッド・マイロや!これ大好き!腸から生まれるうんこの殺人バケモノ。すっごく好き。
オール・アバウト・マイ・マザー
ペドロ・アルモドバル監督のちょっと古いやつです。褒め称えます。
スガラムルディの魔女
2013年14年頃と言えばアレックス・デ・ラ・イグレシア監督にぞっこんの頃で、スガラムルディの魔女を観にスペインに行こうかとすら考えていたそのスガラムルディの魔女が日本で公開され、実は「刺さった男」のほうが気に入ったんですよ。「スガラムルディの魔女」はちょっと悪のりしすぎて、アレックス監督の好きな部分があまり、その、いえ、面白く楽しく観たのですが。
シン・シティ 復讐の女神
シン・シティの続編。ぐっと来ます。でもやっぱ前作が好き。
チョコレートファイター
「マッハ!!!」のプラッチャヤー・ピンゲーオ監督の映画で、マッハの記録を塗り替えたとか何とか宣伝に惑わされて見たんですが、どうにもこれはいただけませんでした。アクションシーンはさすがの面白さですが映画として時間損したみたいなそんな感覚。
サンドラの週末
ダルデンヌ兄弟は「ロルナの祈り」から「少年と自転車」で、少しドラマ派の部分が出てきたなあ落ち着いてきたのかなあと思っていたら、この「サンドラの週末」でがっつーんと来ました。小さな出来事でこれほど手に汗握り心が揺れ魂を持っていかれるとは。絶賛。
あの日の声を探して
強いストレスには泣くことが効くそうです。紛争で両親を目の前で殺され声を失った少年と彼のために奔走するEU職員の女性。この少年の個性的な顔がまたたまりませんし。泣きなさい。おもっくそ泣きなさい。
ただ、この映画は少年と女性の泣き泣きドラマだけでなく、他の青年のドラマも並列に含まれていて、わりと多面的に戦争を突きつける映画でもあります。
アデル、ブルーは熱い色
「クスクス粒の秘密」のアブデラティフ・ケシシュ監督の新作ってんで飛びついた「アデル、ブルーは熱い色」です。ずっしり見応えある傑作。レア・セドゥとアブデラティフ・ケシシュの熱演も光ります。でもやっぱ「クスクス粒」のほうが傑作。
嘆きのピエタ
キム・ギドク監督の「嘆きのピエタ」を見ていなかったので見たんですね。感想は、まああの「嘆きのピエタ」を見た人と概ね同じと思います。いやしかし凄い映画作る人ですよねえ。キム・ギドク監督ってさぞかし大物で大監督かと思ってたんですがそうでもないということも聞いて、へえって思いました。
そういえば昔、フランスに行った人がブリジット・フォンテーヌの話をしたらフランス人の友だちが「誰それ?知らん」と言ってショックだったとか。誰もが知ってる国民的歌手と思ってたのに。
そういえばもっと遙か昔、日本人がフランスに行ってノストラダムスの話をしたら「誰それ?知らんな」というのが大半だったという話も思い出します。まあノストラダムスはただ五島べんとか何とかというやつが適当なこと書いて日本でベストセラーになっただけの話ですからこの話はどうでもいいですね。
ということで、一口感想の羅列 vol.3でした。詳しく知りたい映画ありました?