手紙は憶えている
老人がある目的を持って老人ホームを脱出、旅に出ます。老人のほのぼのロードムービーでしょうか。違います。
老人がある目的を持って老人ホームを脱出、旅に出ます。老人のほのぼのロードムービーでしょうか。違います。
老齢の仕立屋がアルゼンチンから故郷ポーランドへ旅する映画「家へ帰ろう」は心に刺さる人と人との物語。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督2001年の「家路」という宇宙的見地の偏執狂的批判的老人映画の極北。
結婚45周年の夫婦を描いた「さざなみ」は高齢化時代を見据えた新たな老人映画の地平。ゆれる夫婦の心を容赦なく表現するシャーロット・ランプリングとトム・コートネイの熱演に仰け反る同時代人続出。この世に老人などいない。老人など幻想にすぎない。
「きっとここが帰る場所」のパオロ・ソレンティーノ監督2015年の「グランドフィナーレ」は「若さ」というタイトルの老人映画。笑いと衝撃、言葉と仕事と体と心、この映画に参加した人全員を尊敬できて見る目も変わるかもしれないレベルの名作。
新鋭カルロス・ベルムトの映画「マジカル・ガール」はオタク世代のニュータイプ・ノワールにして哀れを誘う踏み外し系人間模様にして新たなスパニッシュムービーの一つの境地。
マノエル・ド・オリヴェイラ監督がルイス・ブニュエルにオマージュを捧げたという「昼顔」(1967)から約40年後の続編的作品は「夜顔」という邦題。
かつて西部劇全盛時代にコストの安いスペインで撮影していたそうで、そのロケ地の撮影セットを残した「マカロニ・ウエスタン村」は今ではブームも去り寂れた観光地となっております。このウエスタン村の元スタントマン、フリアンとその仲間たち、そして尋ねてくる孫カルロスとの交流を描きます。哀愁ただよういい話に見えて、その実けっこうぶっ飛びの超個性派捻くれ映画。かなりいい!
クリント・イーストウッド監督・主演、2000年のSF映画です。何でこれを今観てるんでしょう。わかりません。
病に倒れた妻と介護する夫。ミヒャエル・ハネケ2012年の最新作は老夫婦の愛と介護の息詰まる映画。
悲惨な目に遭って生き延びたちびっ子クルド人少女ヘジャルと、妻を亡くした老人がひょんなことから出会います。社会的背景を持つちびっ子と老人の映画です。ちびっ子と老人映画にめっぽう弱いMovieBooです。これは来ました。これはぐっと来ましたよ。たまらん。これはもうたまらん。これべた褒め。
ソ連時代のグルジア。やんちゃでカメラ好きの少年はやがて映画監督になりますが祖国の窮屈さに我慢できずにフランスへ旅立ちます。若い映画監督の奮闘を描くこの映画は、グルジアの巨匠オタール・イオセリアーニ監督の半自伝的な映画であるそうです。
庶民でありながら抜群の審美眼と持ち前の人徳で現代美術の収集を続けてきたヴォーゲル夫妻のドキュメンタリー。
ニューヨークとアート、老夫婦の人生、アーティストと猫。
19世紀、ユトランドの海辺の小さな村の小さな出来事。牧師の娘マーチーネとフィリッパに魅了される二人の男、数十年後に家政婦として姉妹の世話になるフランスから亡命してきた女性バベット、そして村人たちです。
かつてイギリスの植民地だったケニア。2003年に政府が無償教育制度を施行したことを耳にした84歳の老人マルゲが地元の小学校に入学を希望してやってきます。実話に基づく最高齢小学生の物語。
カナダの端のほうの小さな島。かつて漁業で栄え今ではすっかり貧困島と化したこの土地に持ち上がった工場誘致の話。しかし工場建設には定住する医師が必要条件。島民が一丸となって「魅力的な島」を演出し、医師を騙して気に入られ定住する気にさせようとするお話。
ジプシーの一族とその周囲に巻き起こるハチャメチャ騒動。父ちゃんの詐欺的儲け話、息子の恋愛、爺ちゃんとその親友ゴッドファーザー、ゴッドファーザーの息子、詐欺師のチンピラ、可愛いあの子、面白人間たちとドナウ川と動物たち。これでもかというほど詰め込まれた騒然煩雑猥雑不可思議異世界映画の巨頭。
2003年、フセイン政権崩壊直後のイラクで旅する祖母と孫。戦地から戻らない息子を僅かな手がかりで探す女性イブラヒムと、顔も知らない父が残した笛を手にする少年アーメッドは、ヒッチハイクをし、バスを乗り継ぎ、イラクの北の果てから南の果てまで旅します。
老いた手品師と異国の少女の哀愁漂う物語。
ジャック・タチが娘へ捧げた幻の脚本をシルヴァン・ショメがアニメ化した作品。
アルゼンチン/スペイン映画「ルイーサ」です。ブエノスアイレスで猫と暮らすおばさんルイーサ、きりりと身を引き締めて規則正しく日課をこなすこの老齢近い女性にある日不幸が折り重なってやってきます。