手紙は憶えている
老人がある目的を持って老人ホームを脱出、旅に出ます。老人のほのぼのロードムービーでしょうか。違います。
老人がある目的を持って老人ホームを脱出、旅に出ます。老人のほのぼのロードムービーでしょうか。違います。
インドで迷子になったパキスタンのちびっ子に出会って面倒を見る羽目になった純粋男がその子を親の元へ届けようとする映画「バジュランギおじさんと、小さな迷子」の感想文をなぜ今書くか。もちろん、この映画がインドとパキスタンに関するハートフル映画だからです。
養子に貰われた姉妹の挙動が悪魔憑きみたいでおかしいの。という映画「シスター」ですがおかしいのは映画全体です。でもOK。
90年代のロンドンの音楽シーンで業界トップを目指す男の半狂乱の物語。ハチャメチャでデタラメ、悪事あり裏切りあり野心あり、成功失敗転落嫉み、何でもやります業界最低物語。
カトリーヌ・ドヌーヴが心優しい判事の役で道を外れた子供を救うべくがんばる映画です。これ素晴らしいんです。決して大女優の偽善映画なんかじゃありません。
議員にもなろうとかという真面目なエリート検察官がひょんな事から高級娼婦の遊びを覚えてしまってさあたいへんという「ZIPPER」は、パトリック・ウィルソンの持ち味も全開でのびのび演じる実はわりとイケてる映画。
一見「またこんなのか」と思われそうなホラーテイストシチュエーション犯罪サイコスリラーPOV映画の「ハングマン」ですが結構きつめのパンチを喰らうので舐めてかかってはいけません。
ノック・ノック
ジョージ・ルーカスが監督しない「スター・ウォーズ」の新シリーズが始まりまして、「フォースの覚醒」が2015年に公開、2017年にはエピソード8が控えていて、その前に番外編みたいな「ローグ・ワン」ってのが公開されまして、それなりに盛り上がっていた2016年年末ですが、レイア姫のキャリー・フィッシャーが急逝されました。
オーストラリアのホラー・ミステリー映画です。エイドリアン・ブロディが精神科医を演じます。途中までは面白いんですが、比較的どうでもいい映画の一つ。
交通事故のPTSDから立ち直っていない妊婦さんが旦那と共に葡萄畑でワインを作ろうと田舎に越してきます。のどかないいところに見えますが奥さんはちょっと不安です。一人で家にいますと妙な物音を聞いたり人の気配を感じたり恐怖を体験します。
「アンフレンデッド」はもちろん劇場公開映画ですが、Macの画面だけで完結する世にも豪快な新発想POVで映画の常識を翻す SNS ホラーなる攻撃的作品。しかしその実シナリオに懲りまくったオーソドックスな会話劇でもあり完成度の高いプロットに観るものは引っ張られ手玉にとられ阿鼻叫喚の必須必見映画。
「ナイトライト 死霊灯」という映画がありました。「ライト/オフ」とは関係ありません。志の高い映画であると強く感じます。感じますが志のところまで到達しているのかというと、それはどうでしょう。若者たちが夜の森で恐ろしい目に遭うというお話です。
独裁者の幼年期を描くという映画「シークレット・オブ・モンスター」はブラディ・コーベット監督気合の一本です。最初興味ありませんでしたが興味が出てきたので観ました。この映画の感想、それはもういろいろ複雑です。
脚本家アレックス・ガーランドが初監督した映画「エクス・マキナ」です。人工知能を備えたロボットと会話してチューリングテストなるものを行うという、会話劇を中心とした良作。
インドの高級ホテルに家族で泊まってたまたま一人留守番をしているとホテルがテロ攻撃に遭ってしまうという、その場に居合わせた少女の緊迫した一夜を描く映画「パレス・ダウン」です。「ニンフォマニアック」のステイシー・マーティンが実際に事件に遭遇した少女を演じた実話の映画化。
結婚45周年の夫婦を描いた「さざなみ」は高齢化時代を見据えた新たな老人映画の地平。ゆれる夫婦の心を容赦なく表現するシャーロット・ランプリングとトム・コートネイの熱演に仰け反る同時代人続出。この世に老人などいない。老人など幻想にすぎない。
「きっとここが帰る場所」のパオロ・ソレンティーノ監督2015年の「グランドフィナーレ」は「若さ」というタイトルの老人映画。笑いと衝撃、言葉と仕事と体と心、この映画に参加した人全員を尊敬できて見る目も変わるかもしれないレベルの名作。
「Vampyres」っていうこの映画、若干のエロスとホラーとスプラッターでできている最近ちょっと稀なとってもチセッツーな映画のひとつ。出来損ないなのに深読みをしてほしそうなストーリーに乗ってあげたくなる衝動に駆られます。よしネタバレ全開超分析にチャレンジだ。
たっぷり10時間ほどかかる残業を命じられたスタイル抜群の秘書、社長の家で作業に没頭します。この秘書はメガネっ娘でピュアでサイコ、オタクに好まれる漫画のようなオタキャラですが映画自体は正統派フレンチ真っ向フィルム・ノワール、そのタイトルは「眼鏡と銃の車の女」これはイカしてる。でもその前にこの変な日本版のカバーアートをとりあえず無視してください。