がんばれ、リアム

2000年の英国映画「がんばれ、リアム」は如何にして庶民が差別主義者のナショナリストに堕ちていくかを不穏な不況社会の日常の中から描き出した作品で、この映画について数年前に語り倒したかったのですが今頃ちょっとだけ触れておきます。

ローサのぬくもり

最近「スリーピング・ボイス」を撮ったベニト・サンブラノ監督の初長編映画1999年の「ローサのぬくもり」(Solas) です。都会の下町で一人暮らす女性と母親、近所の人のお話。

ベーゼ・モア

パンクで過激でフェミニスト、作家ヴィルジニー・デパントが友人のポルノ女優と共に撮りあげた2000年の問題作。姦って奪って殺して旅する女二人の珍道中。

世界で一番醜い女

舞台は近未来2011年のスペイン共和国。老婆が殺害される事件で浮かび上がる美女の容疑者。しかしその実体は異端博士の新技術で整形された世界一醜い女だということが自然と解明されていきます。という話ですが、別の意味で実に興味深い一本でもあります。

最後の賭け

若い女ベティと初老の男ヴィクトールは色仕掛けを使って金を盗む詐欺師のコンビ。次のカモはスイスに集まる歯医者たちだ、っていうんで乗り込みますがベティが打ち合わせにない男とこそこそ遭っております。クロード・シャブロル1997年の「最後の賭け」はコミカルタッチの詐欺師サスペンス劇場。

ありふれた事件

犯罪者をカメラクルーが追うドキュメンタリー映画の体裁で綴る1992年ベルギーの異色作「ありふれた事件」は今観ても十分に衝撃的で斬新でユニーク。

マルメロの陽光

驚くほど作品数の少ないビクトル・エリセが「エル・スール」の10年後に撮ったのは芸術家アントニオ・ロペス=ガルシアのドキュメンタリー映画。もはやこれはドキュメンタリーという括りや単なる映像詩なんて言葉では到底語りきれない至福の映画体験をもたらします。

柳と風

アッバス・キアロスタミ脚本による少年映画。風吹きすさぶイランの田舎で少年が奮闘します。これほどのドキドキがあろうか、これほどのハラハラがあろうか。「柳と風」は身悶え必至のソリッドシチュエーションおつかいサスペンス。

コーカサスの虜

セルゲイ・ボドロフ監督1996年「コーカサスの虜」はシンプルな人と人のドラマです。ただ状況がちょっと異常なだけ、つまり戦争捕虜になってチェチェンの村で囲われてるんです。

ボーイズ・ドント・クライ

少年の恰好をしている性同一障害のブランドン20歳の遊びと恋と人生。実在の人物をモデルにした実話系映画で、1999年公開当時はすごく話題になっていろいろ受賞したりした作品。

ボヴァリー夫人

19世紀のベストセラー、ギュスターヴ・フローベール「ボヴァリー夫人」を原作としたクロード・シャブロル1991年版の映画。ロマン派で奔放のエマ(イザベル・ユペール)が結婚して引っ越しして不倫していろいろあれこれやります。

サーティーン みんなのしあわせ

不動産屋のセールスをしているおばちゃんが、ひょんなことから物件の一室で凄いものを手に入れ、それを巡ってアパートの住人との攻防が始まります。ブラックでコミカル、2000年「La Comunidat」(コミュニティ)というタイトルの傑作。

プリンセス・アンド・ウォリアー

独特の映画を作る才人トム・ティクヴァ2000年の一風変わった愛の映画、ファンタジックな「王女と戦士」なんていうタイトルです。実際は精神病院の看護婦と犯罪者の男の物語。