映画の中で運転するシーンほど怖いものはありません。なぜあんなによそ見しながら運転するか。頼むから前向いてちゃんと運転しながら喋ってくれと祈りにも似た気持ちで胃がぎゅーとなります。
運転席越しに一人称視点で道路が映し出されるシーンも怖いです。フェリーニの「悪魔の首飾り」やハネケの「セブンス・コンチネント」の不安でいっぱいの車内シーンを始め、リンチ「ロストハイウェイ」やその他いくらでもあります。車内の閉鎖空間は映画的に特別な効果をもたらすんですね。
そんなわけでこの映画、冒頭のドライブシーンは怖さがいっぱいです。しかも事故の予知夢まで見てしまいます。怖い予感がします。予想もせずに怖いことが起こるとそれはそれで怖いですが、予想しつつ怖いことが起こるとさらに怖かったりします。
冒頭シーンは大事です。観客を一気に引き込めるかどうか、冒頭にかかっています。その意味ではこの映画は観る価値があります。
ただし冒頭以外はぜんぜん記憶にありませんが(笑)
2006.03.20