我が家の妻は酷いことを言う人でして「トム・クルーズは不細工。頭悪そう。阿呆の役しかできん」おいおい。
この「宇宙戦争」のトム・クルーズはどうでしょう。
なんと、まさにはまり役!
頭の悪いパパが右往左往、宇宙人か何か知らんが変で怖いものが現れ、それに対して何するわけでもなくただひたすら喚いたりおののいたり逃げたりしながら大勢の被害者のひとりとして頭の悪い一市民を演じきります。
この1点がスピルバーグ版「宇宙戦争」のテーマであり目的であり醍醐味なのでありますね。
世界や上層部や軍部で何をどうしているかは一市民には全く見えない。勝手にモンスターが出てきて破壊しまくり、勝手に軍が出てきてあれこれ作戦をやり、そして勝手にモンスターが自滅していくその全ての時において、頭の悪い一市民ができることはただひとつ。嘆いて喚いて恐れ逃げ惑う。これまでの宇宙怪獣映画で描かれてこなかった市民目線、被害者目線です。これは後のモンスター映画に大きな影響を与えましたね。亜流も生みました。
さて本編、町の破壊っぷりも凄まじいし、モンスターも恐ろしいし、ドキドキハラハラのアトラクションが途切れることなく続きます。さすがスピルバーグ、サービス精神は健在です。
かなり満足。大満足。見事。