シャーリーズ・セロンのあの演技力はすごい。さすが、神がかってます。というか、わたくし個人的にはナオミ・ワッツとシャーリーズ・セロンのことだったらいくらでも褒めます。
あまり映画中で描かれない犯人側が真の主人公たちでしょうか。かなりのいい味がでています。
犯人その1、ケビン・ベーコン不憫。「びっくりさせるぞ」「娘は諦めろ」があんな思いつきとは。不憫すぎる。何も撃たなくてもいいじゃんかよ。
映画的には(多分観客的にも)皆がダコタちゃんに首ったけです。
犯人その2、マービンさん、あまりにも可哀想。哀れ。優しいのに。
麻酔医師の夫以外、この手の映画にしてはほんとに人間をしっかり描いています。いい脚本です。
夫の扱いにはちょっと不満がありましたが、これ以上、登場人物に深みを持たせたら話がややこしくなりすぎるのかな、と。夫に関しては米国映画らしい「画一的類型」的なあの設定が丁度良かったのかもしれません。
終盤、派手な立ち回りがありそうな予感で「なんだ、せっかく丁寧に描いてきたのに馬鹿映画にありがちなドンパチになってしまうのか」と危惧しましたが比較的そんなこともなく、程よいところで収めています。これは天晴れ。
犯人たちの哀愁が尾を引きました。
思わぬ良作に出会えて満足。
出演者の顔ぶれを見ると相当な大ヒットを狙ったと思われますが、そういう目で見ると地味に感じるかも知れません。