満島ひかりが演じるキリコは口のきけないトラウマ抱えた女性で、これに10歳の弟、絵本作家の父親、それからウサギが関わります。「ラビット・ホラー」はホラーと言うよりファンタジーです。いわゆるダーク系ファンタジーで、主人公一家の謎解きがメインのお話となっています。
象徴的な場所やモノや所謂「過去の傷」みたいのが断片が点在し散乱し、物語全体の謎解きを果たしていくストーリー進行です。ファンタジックな断片が散乱していますので「呪怨」以上に「見せたいカットシーンの連続」感が強いです。それぞれの映像は綺麗なんですが、物語の骨子をぼかしたファンタジックイメージの過度の連続に興醒めするかもしれません。
ファンタジック断片はウサギの着ぐるみを始め、主人公の傷跡や病院や遊園地や納屋、映画や人魚姫の絵本、それからお約束の「過去の厭な出来事」のトラウマです。いかにもというか定番というか、それらは謎解き系ゲームのアイテムっぽい感じでして、ですので映画全体の印象もビデオゲームのようです。したがって、対象としているお客さんはやや子供と見ていいでしょう。大人が本気で観るとちょっと馬鹿馬鹿しい映画となっております。
とはいえ、こどもにとってはこうした定番に触れておくのも悪くないと思いますので、あえて貶したりはしたくありません。多少子供騙しでも、一流の撮影と演者でもってきちんと作られているので厭な感じはさほど受けませんし。説明係のお医者のセリフなど、ずっこけるような断片も多々ありますが、まあ些細なことです。
「ラビット・ホラー」は3D映画として公開されたようで、ブルーレイではタイトルに「3D」が付いています。ブルーレイって、3Dが写るんですか。凄いですね。でも3D対応のテレビやプロジェクターが必要なんですよね。多分。当たり前ですか。
そういえば本作、3Dっぽい映像満載でした。いかにも3Dって感じです。