公開から一年遅れでやっと日本で上映された話題作。待ちわびました。ちょっと遅いがやってくれただけいいとしましょう。
いやはや、これ凄い。これは腹がよじれる。酷い。面白い。最高です。
いきなりテロとの戦いのためにエッフェル塔やルーブルを破壊しまくるチームアメリカ。同時多発テロの後、現実にアメリカはチームアメリカになって罪もない人々を今なお惨殺しまくっております。よくぞまあこんなことをギャグに出来たものです。テロ直後なら制作陣全員逮捕されてますね。
劇場にいる少ない観客も皆、手や膝を叩いて大笑いのハートフルなひとときを過ごせました。
時事ネタギャグで話題をかっさらいましたが、もうひとつ実は「映画自体のパロディ」という点が骨子になっています。
所謂映画的演出を踏襲しつつ、それ自体がテーマになっていて、映画に対する愛と憎しみがビシビシ感じられます。どちらかというと、こちらの「映画ネタ」がこの映画の本質っぽいです。
たとえば「モンタージュ」という技法を教えてくれます。主人公の成長や状況を描写するための技法で、音楽に乗せてイメージシーンみたいな断片を次々と映し出すことで面倒な説明描写を省略する表現です。これは勉強になりました。でもって、メタクソ笑えます。
時事ネタやアメリカ批判の自虐だけではない構造的な面白さの裏付けも、こうした「映画ネタ」が根底にあるからだと思っています。
普通に人形劇として見ても相当な手の入れようで、これほど懲りまくったものはかつてなかったそうな。
この映画を観たが為に、マット・デイモンをまっと・でいも〜ん としか認識できなくなりました。精神分析を受けてもこのトラウマは直りません。もうマットさんをまっと・でいも〜ん じゃなく認識することは不可能なのでありましょうか。
[追記]
4年後 :ボーンを観て少し直りました。でももう少しかかりそうです。
5年後 :インフォーマントを観てさらに直りました。もう安心です。
[追加] 2011.12.19
金正日総書記がお亡くなりになったとの速報。
今年は大物が次々にお亡くなりになる年ですねえ。最後の大物が年末に逝きましたか。
North Korean MelodyやI’m So Ronery(サントラの曲)が頭を駆け巡る慌ただしい年末でございます。
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