壊れゆく女を演じるジーナ・ローランズは「世界一カッコ良く煙草を吸う女優」です。まこと、カッコいいです。
ジーナ・ローランズ、まだ若いですね。1974年の映画です。ピーター・フォークもお若い。
この二人の演技はすごいの一言です。なんといいますか、ジーナはカッコ良くて美しいしピーターは胸騒ぎを起こさせるし、このホームドラマの底に潜む悪意や深すぎて傷口から血が吹き出るような愛の表現はまったくもって独特です。
この伝説的作品が日本で公開されたのって1993年のことだったんです。なんとまあ、どう感じたでしょうね、93年に初めて観た人ってのは。
ジム・ジャームッシュなどがすでに広く受け入れられ、ニューウェーブな作品群がひしめいていた直後ですから、受け入れ体勢バッチリ、再評価するにはうってつけの時期だったんでしょう。
今観たら流石にちょっと古めかしさも感じますが、74年公開当時はいろんな意味で斬新でお洒落でハイカラだったのは間違いないと思われます。この映画の影響下にある映画の描写技法や効果は今ではすっかり定着したものになってますからね。
ピーター・フォークは個人的に思い入れのある役者でして、「名探偵再登場」や「ブリンクス」を学校をサボって観に行った懐かしさとセットになってしまっており、何だか他人という気がしないんですね。思いっきり他人なのに。厭ですね青春の臭い思い出って言うのは。
「ブリンクス」にはジーナ・ローランズも出演していますね。ウィリアム・フリードキンの78年の作品です。
ジーナ・ローランズは近年「スケルトン・キー」という映画に出演されています。「スケルトン・キー」を観てお婆さんになったジーナ・ローランズに気付いたときには何とも言えない切ない気持ちになりました。でもあんなにカッコ良く煙草を吸うお婆さんはかつていません。カッコ良すぎ。一生付いていきます。
実は「スケルトン・キー」を観てから「グロリア」を観たという順不同の出鱈目鑑賞にてジーナ・ローランズは私の中でギャルから若奥様からカッコいいおばさまから老婆まで全て同時に存在しているんですよね。またしても個人的感覚のお話で恐縮です。ジーナ・ローランズに乾杯。
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