前作「マルサの女」に比べるとやや見劣りするかもしれませんが、宗教への切り込みに対して今となっては甚だ感慨深いものがあります。
伊丹十三監督は少しずつ少しずつ宗教法人と政治の巨悪について描き、言いたいことが募り,調べ上げるようになっていきます。
本作でも真の巨悪に対して為す術もない宮本信子の悔しさを全面に出していて、もしかしたら「マルサの女3」で徹底的に宗教法人を描くつもりだったのかもしれません。
しかし今となってはもう適わぬこと。宗教、政治、極道に牙をむけば恐ろしいことが待ち受けているのだと、日本中に知れ渡らせてしまいました。伊丹監督、思いとは裏腹な結果を世間に残してしまい、さぞかし悔しかろうと思います。
2008.09.17
2010.09.02