2007年の怪作 [REC] の続編。撮影カメラの目線で表現するドキュメンタリー風のPOVはそのままに、前作のそのまま続きから続きます。
謎のゾンビ菌に汚染され完全隔離された例のアパートへ、今度は武装警官隊数名と医師が突入するところから始まります。
武装警官隊のヘルメットにはそれぞれカメラが設置されており、このカメラ切り替えによって複数のアングルを実現します。なかなかのアイデアです。
ゲームっぽい画面の中、武装警官隊が突き進む冒頭しばらくの間、面白いんだけどゲームっぽいなあ、安っぽいかなあ、今作は失敗かなあ、なんて思ってたんですが、とんでもない。この後、どんどんとんでもない方向へ物語は突き進みます。
武装警官隊員のカメラ切り替えなど、単なる序盤の賑やかしに過ぎないことがはっきり分かります。
その1,武装警官隊の描き方が個性的。典型的な半ば自動化されたいわゆる映画的SWATという常識で見ていると肩透かしを喰らいます。彼らはあくまでも単なる警官、単なる公務員、一人ずつの人間として描かれます。決して殺人マシーンではありません。優しいところもあったりして、人間味あふれる描写に感動です。
その2, 警官隊のドタバタの果て、これからどうなるの、これからどうすんの、と、物語的にも映画的にも心配になってきた頃に突然に出てくる新展開。この瞬間、観客全員が一瞬固まります。何が映ってんの?誰が映ってんの?何これ。誰これ。花火?は?と、誰しもが不安のピークに達したことでしょう。
ここから怒濤の新展開。POVのアイデアも尽きることなく、ジャウマ・バラゲロ監督の天才性がずどどどと発揮されます。
その3, 今作の目玉はPOVの多種多様なアイデアはもちろんですが、登場人物たちの描き方にも注目です。さきほどの武装警官、隊長もそうだし、消防のお兄さんも優しいですね、薬屋へ買い物にいったお父さんもパーフェクトな登場だし、素晴らしい人物描写が満載です。こういうのがあってこその面白さの深みですねえ。
2010.4.20
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