マット・デイモン、ベン・アフレックによる新人発掘、育成のプロジェクト・グリーンライトから誕生した型破りなモンスターホラーです。製作総指揮にもこの二人の名が入っており、マット・デイモン、ますます尊敬できる人でありますねえ。
さて、舞台はテキサスの寂れたバー。ここに謎の化け物が襲いかかります。化け物ファミリー対酒場の住民。
冒頭、登場人物たちの紹介はあだ名や特徴、寿命などを表示して最初から「この映画はふざけてますよ」の宣言です。
その通りに、この手のホラーの定石をわざとひっくり返したり「そんなアホなー」と叫びツッコミを入れたくなる前半です。
なんせ良く出来ているのは、この前半部分で「普通のホラー映画の常識は通用しないぜ」と 高らかに宣言して、見る者に油断を与えないところです。こうして冒頭から客をびびらせておくことによって、後半の展開にちゃんと引きずり込むという技法なんですよね。この技法はタランティーノのやり口と同じです。
この作品でもその技法は大成功。徐々に登場人物たちの肉付けを行っていく後半に上手に繋げています。
このまとめ方が上手なので、人物もちゃんと立ってきますし、ドラマとしての成立も一級品と変わりません。”ただ軽薄なだけの3流パロディ”に陥らずにすんでいます。 いやはや大変おもしろい。ヒットして当然だわ。
ホラーといえば低予算。この映画の低予算ぶりも観ていて明らかですが、低予算ならではの工夫と面白さに満ちています。チビモンスターが暴れるところなんか可笑しくて。低予算ホラーの醍醐味ですね。
この作品のヒットにより、2と3を立て続けに作ったんだとか。でも「2&3」とかって一度に上映されたらしい。何のための2と3だったことか。。
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