Podcastをやっている二人組、ウォレスとテディです。この二人の漫才のような掛け合いから映画はスタートします。YouTubeの動画を面白おかしく紹介していますね。
この二人組ですが、まずはこのキャスティングでお客を狙えそうです。ジャスティン・ロングとハーレイ・ジョエル・オスメントが演じます。
ジャスティン・ロングは「スペル」の好青年役も適役でしたし、もともとは「ギャラクシー・クエスト」の最後にも活躍するあのお兄ちゃんですよね。今や超売れっ子俳優です。
ハーレイ・ジョエル・オスメントは言わずと知れた「シックスセンス」や「A.I」の天才子役、ちょっぴり太ったお兄ちゃんに育っていますが目は昔のままです。好感度高めの大人になっていましたね。
この二人がPodcastで取り上げる最初の動画がありまして、実はこの最初の動画こそ本編中もっとも面白いシーンとなってしまいました。脚本的には、この冒頭でここまでぶっ飛んだYouTube動画を用意したのが実は失敗だったのではないかとすら思えます。ちょっと悪のりしすぎましたね。それほどに冒頭動画は秀逸でした。
で、このうちウォレスがですね、面白ネタを仕入れにカナダまでやってきます。ネットだけでなく実際足を運ぶ、その姿勢が大事であります。
あれこれあって、郊外の老人が住む家に向かいまして、この老人こそ人間をセイウチに変えてしまうという気違い博士。まんまととっ捕まって酷い目に遭います。
気違い博士ハワード・ハウを演じるのがマイケル・パークスです。ベテラン俳優、何でもやります。
ウォレスにはラテン系の彼女がいます。ラテン美女と言えば。そうですね、「崖っぷちの男」でもキュートだったジェネシス・ロドリゲスです。いい女ですね。
このような感じで、キャスティングの妙技です。わりといいところをついていて、キャスティングだけで客が呼べます。
もうひとり特筆すべき出演者がいます。有名俳優です。この有名俳優、有名ですが妙な映画や妙な役を嬉々としてやることでも知られています。例えば「ラスベガスをやっつけろ」や「ラム・ダイアリー」ではジャンキー記者ハンター・S・トンプソンを演じました。
この有名俳優の出演は完全に覆面らしく、クレジットにも載っていません。役名のギー・ラポワンテとクレジットされています。
もうひとつ、この有名俳優の娘が出演しているとのことで、コンビニ店員のあの子ですね。キャスティングの妙技どころかマニアックさが伺えます。
さて冒頭、実話を元にしたと宣言されていますがどういうことでしょうか。こういうことらしいです。
監督のケヴィン・スミスは実際にPodcastをやっていてネタを集めていたそうでして、何かの掲示板に「セイウチの格好をしてしばらくの間だけ老人の友達になってほしい」てな依頼があったらしく、これが内部で大受け、Podcastをしながら「このネタで映画作ったらどうなる」「こうなってああなって」「エンディングはこんな感じで」「ラストにはこんな音楽かけて」と悪のりしまくり、そして挙げ句の果てに本気になってきてよし映画を作ろうってなったそうなんです。
まったくもって実話を元にしているじゃありませんか。
「Mr.タスク」のエンドクレジットで唐突に流れるPodcastの音声、あれ何だろうと思ってたけど実際の監督による当時のPodcastなんですよね?
で、この映画は面白いのか。はい面白いです。たらたらした会話も細かくて面白いし、馬鹿馬鹿しさもほどよくいい感じに上がっていると思います。