サイコロを振って止まったマスに書いてあることが現実に起こるボードゲームで遊ぶアラン。とんでもないことになってしまいます。
この映画が面白いのは、ゲームが現実になって、ドタバタ騒動が巻き起こることだけではありません。
工場経営者の厳格な父親と反発する子供の父と子の関係、成長過程をすっ飛ばして懐かしがらせ、郷愁心を刺激する展開、このあたりに深い味わいがあります。
「大人であり子供」であるロビン・ウィリアムズのピュアな瞳はさすが。大変なはまり役ですね。
その彼が「いなかった期間」は映画の中では描写されません。それがゆえ、鑑賞者に強くノスタルジーを感じさせ、父親の気持ちをはじめ出来事や歴史を想像させて心を揺り動かすんですね。これ上手いですね。
ちょっとドタバタ部分がしつこくて抑揚がない感じの部分もありますが、面白ハンターをはじめ随所におかしな工夫もされています。
子供は大喜びでしょう。
そして大人はじ〜んとするでしょう。
「ジュマンジ」で一際かわいらしさを発揮して観客の感情移入を促した名演技の女の子、この子がキルステン・ダンストだったとは、21世紀になって10年以上経ってから初めて知りました。
Movie Booではときどき90年代の日付が入った記事というかメモ程度の感想文がありますが、これは何かというと当時ネットに書いていた日記から映画メモを発掘して載せたものです。あの頃はもちろん観た映画の感想をいちいち全部書いていたわけではないので、多分「ジュマンジ」は意外に記憶にとどまったのでしょう。たしかに、幾多のファンタジー系の中で、ずば抜けた良い出来というわけでもないのに印象に残った作品でした。特に最後の哀愁はたまらんかったのですが、その効果を最大限に発揮させたのは間違いなくキルステン・ダンストです。
私は全然ものを知らぬ人間ですから、当時さぞかし注目されたであろうこの子役のことなども、何も知りませんでした。 人に歴史ありですね。