2014年明けましておめでとうございます。と言ってる隙にもう1月も終わりですが、ウェス・アンダーソン監督の少し前の映画「ライフ・アクアティック」をおうちで見て暖かい海のバケーション気分を味わいますね。
ジャック・クストーみたいな海洋学者で映画監督をビル・マーレイがノリノリで演じます。オーウォン・ウィルソン、ケイト・ブランシェット、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、まあいつものようにたくさんのスター俳優たちが個性的で魅力ある人物を演じつつ、おかしな物語を紡ぎます。
「ライフ・アクアティック」は、以前の冒険で仲間を失い近頃ヒット作品にもめぐまれない主人公ズィスーが、仲間たちとともに仇討ちと大ヒット映画を作る目的で探査船に乗り込み海へ出るという大航海物語です。
ウェス・アンダーソン映画にしては派手な冒険ものです。でも会話やテンポ、可笑しさやストーリーテリングはいつものようにめちゃいい感じ。コメディ色も強いです。ただしこっそりブラックなギャグが鏤められていたり、ほのぼのしているように見せかけて攻撃的な部分もあります。
自分勝手でわがままで傲慢な主人公ズィスー(ビル・マーレイ)、妊娠中の怪しい記者(ケイト・ブランシェット)、あなたの息子ですと名乗る青年(オーウェン・ウィルソン)、ライバルで天敵(ジェフ・ゴールドブラム)、面白い連中があれこれ繰り広げる面白さは保証付き。
冒頭からして素晴らしいんです。冒頭はイタリアかどこかの映画祭からですね。スイスの映画祭のパロディみたいな名前の、あれ?ポルトガルだっけ?忘れたけど、とにかく海外の大きな映画祭って設定です。仲間が食われる作品が上映され質疑応答が行われます。海洋学者なのに「復讐のために次の冒険にでるのだ」とか言います。
映画好きだもので、映画内で映画が出てくるようなシチュエーションが好きなんです。「ライフ・アクアティック」の冒頭映画はどのように見ればいいのか実によくわからないズィスーの海洋冒険ドキュメンタリー。クストーの映画のパロディ仕立てですが映画そのものにギャグは含みません。ここではふざけないのですよね。しかし真面目なのか何なのか良くわからないこれを見ているだけでじわじわ笑いがこみ上げます。冒頭からよじれます。じわじわじわじわ。こりゃたまらん。
上映、質疑応答、パーティ、序盤にて主要党人物も登場します。「あなたの息子です」も登場します。
というわけでいろいろあって冒険に出ます。主人公がまあまあ嫌なやつって設定なので、普通に楽しめるというよりやはり随分捻くれています。ハイセンスぎらぎらの映画ですね。そして何だかんだといいながら最後はみんなが喜ぶようなよいエンディングも迎えまして、やっぱりいいよなあ、と、この監督の人気の高さを納得します。この監督が米国を代表する人気監督っていうことが、私個人にとっても少々心の支えになっています。