なぜ公開当時観なかったか、つげ作品の映画化を信頼できなかった青い自分がそこにいたようです。この作品、観るまでに長い年月を要してしまいました。大後悔。
つげ名を作品内に出さなかったのは正解です。これはつげ作品を元に作られた、世の多くの「無能の人」に対する愛情の賛歌であり、あり得たもう一つの自分世界であり、居たであろうこの手の友人知人へのオマージュでもあります。
見終わって深く反芻できる名シーンの数々は、如何にこの映画が丁寧に作られているかを証明しています。
このような名作傑作があるなんて、日本映画の誇りでありますね。
2006.08.04