悪名高きマグダレン修道院。そこに収容されてきた3人の「堕落した罪深き」少女たちの物語です。いやしかし、これはひどい。修道院どころか収容所。映画化決定っ。いや、ふざけている場合ではありません。
つい最近までこの修道院は大きな顔で営業していたらしいです。
こういう怖い施設は何も昔話、余所の国の話ばかりじゃありません。日本でも、精神病院のルポで恐ろしいのがありましたね。刑務所での恐ろしい話も漏れてましたね。平和主義者の庶民が想像もできないようなこういう閉じた世界というのは、ほんとに割と身近なところで存在していているのです。ファシズム大好き変態っ子たちは社会に満遍なくいますし、いつの世もあなたの近くで牙をむいているのです。
この映画を観て修道院に憤慨する一方、平素は修道院側と同じ思考回路で差別的に振る舞うような人々ってのはほんとにたくさんいます。そういうタイプの人間が狭い世界の正義に嵌ると恐ろしい行為を平気で行うようになります。
閉じた世界での独裁や虐待、差別と偏見、他者への攻撃について、このような極端な映画を観て「怖いね。酷いね」と言いながらも、うっかりすると同じ思考の罠にはまってはいないだろうかと、我を顧みるくらいの謙虚さと根性がほしいところです。
2006.11.12
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