アメイジング・スパイダーマン

The Amazing Spider-Man
スパイダーマンシリーズを仕切り直すという「アメイジング・スパイダーマン」シリーズです。
アメイジング・スパイダーマン

MovieBooにエントリーし忘れてるようですがサム・ライミの「スパイダーマン」シリーズは面白かったですよねえ。当時サム・ライミが監督と聞いたときには心底驚いたものです。でも大ヒットして一躍世界の大監督になりました。

詳細な事情は知りませんがサム・ライミは「スパイダーマン4」を拒否し、降板します。そして会社はシリーズを刷新してサム・ライミ抜きのスパイダーマンをまた最初から作るという。
最初この話を聞いたときは映画作品を何だと思ってるのか糞馬鹿めと呆れかえって憤慨したものです。
しかし人間単純なもので、やっぱりちょっと気になってこっそり観てみたという。

今回の主人公を演じるのがアンドリュー・ガーフィールドで、そうです「BOY A」とか、「わたしを離さないで」とか、「ソーシャル・ネットワーク」にも出てましたね、で、おどおどした感じの変な青年を演じた河野太郎にちょっと似た変な顔のあの青年だと知って、ちょっとびっくりしてへーっって思いました。いえ、今は河野太郎にはあまり似ていないですね。痩せましたね。

スパイダーマンのキモは身の丈の青年によるヒーロー活劇にあるようでして、今風の身の丈青年をアンドリュー・ガーフィールドが熱演します。よく役に合っていて驚きました。

シリーズもので考えるとなんと言っても1が面白いです。子供の頃から、ヒーローになるきっかけから、育ての親の死から、いろんなドラマが詰まっていて見応えたっぷり。
その面白さはサム・ライミ版「スパイダーマン」とほとんど同じですが、ほとんど同じ故「アメイジング・スパイダーマン」も面白いです。同じ面白さでもぜんぜん問題ありません。
どっちかというと、今回はちょっとおふざけが目立ちますがそれはそれで面白いです。

ゾンビランド」を観たときにエマ・ストーンが次のスパイダーマンシリーズに抜擢されたと知りましたがエマ・ストーンもいい感じです。

スパイダーマンっていうのはあれですか?ヒロイン役はちょっと個性的な感じでないと駄目なんでしょうかね、サム・ライミ版のキルステン・ダンストといい、今回のエマ・ストーンといい、単なる可愛い女の子というより、ちょっと突き抜けた感じがするキャラクターで、いい感じです。

というわけで、どうだったかといいますと、思いっきり楽しめました。
いやもうほんとに、ハリウッドの娯楽大企業の偉い人達や現場の人達、いわば面白エリートの面々の娯楽面白技術には舌を巻くしかありません。
特に今回、最後のほうでクレーンの職人たちがベタな大活躍しますが、ああいう直球のストーリーも手放しで喜んじゃいます。あれでいいのだ。
あと、育ての親が主人公に大事なことを言います。
「復讐をして気持ちよかったのか」
育ての親が良いことを主人公に伝えるのはオリジナル漫画からの伝統らしく、もはや定番を超えた定番、教育的効果と相まって、子供はスパイダーマンを見て育てと、そういうよいお話も含まれたりします。

わりと最近、ハリウッド娯楽大作の何本かがほんとに面白くなくて、それを「若年層向け」だから、と思ったり実際にそう書いたりしてきましたが、そんな問題ではないということがはっきりわかります。
「スパイダーマン」は明らかに若年層向けの単なる娯楽ヒーローアクション映画ですがとことん楽しめましたからね。
やっぱり映画個々の出来映えである、それから、結局好みの問題である、という当たり前で単純なことに帰結するんですね。

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